アプローチに格式を演出する大鉢

大鉢は玄関前や庭の入り口などに、格式を演出する存在感があります。この鉢で使っているのはパンジー&ビオラ、ガーデンシクラメン、ハボタンの3種類の代表的な冬の素材で、一つひとつはそれほど主張の強い花ではありませんが、大鉢1つにまとめることで華やかさを演出することができます。小鉢に分散させることもできますが、鉢の色や素材感の異なるものをたくさん並べると、ごちゃごちゃした印象になってしまいがち。鉢をたくさん置く場合には鉢の色や素材感も統一感を出した方がよいです。その点、大鉢1つは手軽に印象的な風景が作れます。

【使った植物】

<一年草>

・ガーデンシクラメン

・ハボタン  

・パンジー&ビオラ

大鉢の寄せ植えの手入れのコツと注意点

大鉢に土が入り植物を植えると、とても重くなるので、基本的に移動できません。日当たりなどを考慮して置く場所や鉢を吟味して置く必要があります。そして、何を植えるか植物選びもポイントです。鉢の容量が大きいのでバラや大型の宿根草ももちろん育てられますが、こうした花々は見頃が短期間のことが多いです。玄関前など目立つところに置いた場合、花期以外は見所が少ない鉢になってしまいます。ですから、私は季節ごとに植え替えることを前提とし、一年草を主役にしています。一年草は1シーズン限りですが、一緒に植えた低木や宿根草は庭におろして再利用もできます。株数はトータルで20〜30株植え込みます。

【使った植物】

<低木>

・ギョリュウバイ

・ヘーベ

<つる植物>

・ハツユキカズラ

・ヘデラ

<一年草>

・キンギョソウ

・ネメシア

・パンジー&ビオラ

・アリッサム

・カルーナ(一年草扱い)

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大鉢の寄せ植えの植え替え方

①前シーズンの植物を抜く

まずは茂って乱れた前シーズンの植物を抜きます。大鉢に植えた植物は根が深くまで張っているので、抜くときは柄の長さが約50cmの中くらいサイズのシャベルで掘り起こすようにするとよいです。


大鉢の植え替えに重宝するツール。柄の長さが50〜60cmで扱いやすい。

②土を1/3入れ替える

植え替えをするときは土も入れ替えます。土をそのまま使うと、次の植物がうまく育ちません。というのも、土の栄養分が前の植物に使い果たされた状態であったり、病害虫がいることがあるからです。ただし、大鉢の場合は全部の土を入れ替える必要はありません。1/3ほどの土を出して、前の植物の根っこや土中に潜んでいる害虫も取り除きましょう。

③元肥を入れる

次の植物がよく育つように元肥を入れ、その上から新しい用土を鉢縁から10cm程度下くらいまでになるよう足します。

④植物を仮置きして配置を吟味

いきなり植物を植えずに、ポットのまま仮置きしてバランスをみます。全方位的に観賞する場合は草丈の高い植物を中央に配置し、鉢縁に向かって段々草丈が低くなるようにします。壁際などに置く場合は前と後がはっきり決まっているので、後方に草丈の高い植物を配置します。鉢縁にはいずれも枝垂れるように伸びる植物を入れると、鉢と植物の一体感が生まれます。

⑤植物をポットから出して植栽

配置が決まったらポットから苗を出します。根が回っていれば、ほぐすとその後の生育がよくなります。根元をよく見て傷んだ葉があればこの時点で取り除いておくと病気が防げます。植栽するときは苗の向きに配慮し、一番可愛く見える方向で植えます。

⑥苗の間に土を入れる

苗の間に土を入れていきます。植栽していく過程で、沈みこみ過ぎてしまう苗も出てくるので、埋もれてしまった花があれば少し浮かせて、その下に土を入れ込み高さを調節します。

⑦水やりをして完了

根元に十分水がいき渡るように水やりをして完了。鉢底から水が流れ出るまでたっぷりあげましょう。冬の間はあまり花が咲き進みませんが、花がらを見つけたら摘み取りましょう。定期的に液肥を与えると寄せ植えの見頃が長くなります。

【使った植物】

<低木>

・ロフォミルタス‘マジックドラゴン’

<つる植物>

・コウシュンカズラ

<一年草>

・パンジー&ビオラ

・アリッサム

・カルーナ(低木・一年草扱い)

・エリカ‘フラワーレインドロップ’ (低木・一年草扱い)

<宿根草>

キンギョソウ‘スカンピードラゴン’(カラーリーフとして)