「かわす」「逃げる」も重要な対応方法
子どもたちの母として、働く夫をサポートする妻として生きてきたステージを終え、これからはもう一度、人として、一人の女性として新たな人生を歩みたいと思う人も多くいます。離婚や別居に踏み切る人もいます。
しかし銭湯育ちさんの場合は、今の状況でも自分の見方や、考え方を変えてみるだけで状況は大きく変わると思います。
我慢は美徳ではなく、積もり積もって内外で爆発することがあり、体にも悪いですし、今後の生活を台無しにしかねません。だから我慢するのではなく、今の環境で、少しでも自分の気持ちを変えられるようにしていきましょう。
まずは、自分を守れるよう、理不尽な夫を変えようとせず、上手に振る舞ったり、面と向かわず「かわす」「逃げる」などの対応をしていくことも重要です。
「こちらの常識、気持ちのわからない人に、いくらわからせようと反論しても無駄な努力」と考え、この人はこういう人だからと違いを受け入れてしまうことでも、気持ちを切り替えられます。
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気付いた方から行動することで夫婦仲を改善
銭湯育ちさんの「ずっと我慢だった」という考えは、きっと一家の経済を担ってきた夫への感謝や労いの気持ちがあるからこその考えだと思います。しかし、その感謝や労いを上手に伝えられなかったのではないでしょうか?
その気持ちがパートナーにうまく伝わらないと、どうせ自分は感謝もされてないんだと受け取って意固地になり、自分の非を認められなくなるケースはよくあります。
夫婦というものは一人だけで変えられるものではありません。どちらかが先に気付いて行動し、パートナーの振りを見て感じ取ってもらい、こちらが変わればあちらも変わるというように相乗効果で関係改善することが望ましいのです。
どんなにこちらが変わっても熟年になってくると、不安や自信のなさでかたくなになって変わらない人もいます。そういうパートナーへの見極めをしっかりとして、夫との付き合い方を決めていきましょう。
そして何より自分に目を向けて、勇気を持ってこれからの自分はどう生きていくかを我慢するのではなく、前向きに描いて「素敵な55歳」を作り上げてください。
女性は男性よりは長生きで、そして100歳まで生きるのも想定内のことになってる時代です。「今までの人生」「これからの人生」を後悔しないように生きていきましょう。
回答者プロフィール:岡野あつこさん
おかの・あつこ 夫婦問題研究家。離婚診断士(R)。NPO日本家族問題相談連盟理事長。
自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。30年間で3万5000件以上の相談を受け、その成功事例ノウハウを数多く持つ。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)がある。
・離婚相談救急隊運営
・「離婚診断士(R)養成オンライン講座」開講
・YouTube「岡野あつこチャンネル」