後払い決済のデメリット

気軽にサービスが利用できる後払い決済サービスですが、デメリットもあります。

1.支払える金額以上の買い物をしてしまう可能性がある

後払い決済サービスはクレジットカードほど与信審査が厳しくないため、収入がない人でも利用できます。そのため、自分で支払える金額以上の買い物ができてしまうことがあります。そうなると支払いが困難な状態に陥る可能性があります。

2.利用金額を管理しづらい

後払い決済の場合、注文をしたタイミングでは手元のお金が減りません。そうなると、何を購入したか、この後どれくらいお金を使えるのか、などの管理が難しくなります。特に複数のサービスを同時に使っていると、支払いサイクルや金額の把握が難しくなる可能性が高くなります。

3.手数料が発生することがある

後払い決済サービスの事業者によっては、サービス利用料や手数料が発生することがあります。そのため手数料分を損しているとも言えます。

例えば洋服などを販売している大手のファッションサイトで後払いサービスを利用すると、1件当たり330円(税込み)の手数料が必要です。また支払いの際、コンビニエンスストアでの支払いは手数料無料でも、郵便局窓口での支払いは手数料が必要といった場合もあります。手数料はサービス会社によって異なるので注意が必要です。

4.カードローンやキャッシングなどの利用を誘発しやすい

後払い決済サービスは利用しやすいので、支払いが重なり、多重債務になりやすい性質を持っています。そのため、後払いサービスの支払いのためにカードローンやキャッシングなどでの借り入れを誘発する恐れがあります。

クレジットカードやカードローンなどの多重債務は「最初は少額だったけれど、どんどん金額が膨らんでしまう」など問題が深刻化することが多いです。気軽に利用できるが故に、リスクは高いと言えるでしょう。

5.販売店が怪しいこともある

インターネット上には悪質なショッピングサイトやサービスもあります。そのようなサイトでは支払いにクレジットカードは使えず、後払いサービスのみの場合があります。これはクレジットカード会社の基準を満たせないため、後払い決済サービスを使っているケースがあるからです。

もしそのようなサイトで買い物をして粗悪品などが届いたとしても、返品や返金をしてくれる可能性は低いのが現状です。そのため、支払い方法でクレジットカードが使えず、後払い決済サービスのみの場合は注意が必要です。

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後払い決済にまつわるトラブルや困りごと


頭を抱える女性
【画像出典元】「stock.adobe.com/KMPZZZ」

消費者庁の調査結果から、後払い決済サービスを利用した際に発生したトラブルや困ったことの上位5つを見てみましょう。

1.支払いが遅れてしまった

やはり目立つのは「支払いが遅れてしまった」という項目です。後払い決済では「請求書の発行から14日以内に支払う」という設定が多く、この期日までに支払いを済ませる必要があります。もし支払期日を過ぎてしまうと他社も含めて後払い決済が利用できなくなったり、長期にわたり支払いがないような悪質なケースと判断されれば、弁護士事務所などに債権の回収を委託されたりすることもあるようです。

2.請求書を紛失した

後払い決済は、手元に届く請求書を使って支払います。そのため、請求書を紛失すれば支払うことができません。事業者によってはサイトで再発行できることもあるようですが、請求書の紛失は上記の支払い遅れのリスクに直結します。

3.二重に支払ってしまった

後払いサービスで複数の商品を購入した場合、誤って二重に支払ってしまうことがあるようです。決済業者から返金はされますが、時間を要します。

4.請求額が高額になるなどで支払えなかった

請求額が高額になり、支払いできなかったというケースも多いようです。商品単体ではそれほど高額ではなくても、自分がいくら使っているか分からなくなる程たくさんの品物を購入してしまったり、複数のサイトで後払いサービスを利用して利用金額が膨らんだりしてしまうことで支払いができないケースが発生しています。このように高額になって支払いができないケースは、クレジットカードの多重債務と同じで深刻な事態と言えるでしょう。

5. 未成年の子供が保護者の同意なく後払い決済を利用してしまった

後払い決済の事業者の中には、年齢制限などの利用条件が厳しくなく、電話番号やメールアドレスの入力だけで利用できるようなサービスもあります。決済手続きが簡単なため、本来は親権者の同意を得なくてはならない未成年が後払い決済をしてしまい、支払えないようなケースも目立ちます。未成年者であれば親権者からの申し出で契約を取り消しできるケースもありますが、すでに商品を開封して使用済みのような場合は難しいでしょう。

後払い決済サービスの利用にあたっては、クレジットカードのような本人確認の書類や年収、職業などの情報が必要ありません。そうした手軽さから若い世代を中心に利用が広がっていますが、それゆえにトラブルが若年層まで広がっているとも言えます。なお国民生活センターと全国の消費生活センターに寄せられた後払い決済についての相談件数は、2021年度で約2万件となっています。

まとめ

年々、後払い決済が利用できるサービスが拡大してきました。手元にお金がなくても購入できるという手軽さや、クレジットカードの番号を入力しなくても良いのでセキュリティー上の安心感など、利用者にとってメリットが多いサービスです。

ただし、クレジットカードに比べて与信審査が緩く、多重債務に陥りやすいなどの問題もあります。現在のところクレジットカード会社と後払い決済サービス会社では個人の信用情報の連携はされていませんが、今後どうなるかは分かりません。仮に連携されることになれば、後払いサービスでの支払い遅れなどの情報が原因で携帯電話が購入できなかったり、クレジットカードが作れなかったりというようなことも起きるかもしれません。手軽だからこそ、リスクをきちんと把握して利用しましょう。

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後払い決済に関するQ&A

Q.別人宛のNP後払いの請求書が届きました。受取拒否をしても良いですか?

A:賃貸住宅などでは前の住人宛の請求書が届く時があります。その際は未開封のまま受取拒否と記載してポストに投函しましょう。

Q.後払い決済を滞納すると、どうなりますか?

A:支払いができていないと後払いサービスを利用できません。また滞納が続けば弁護士等が介入し、法的手段を執られる可能性があります。