アオキの栽培環境


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日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】アオキは半日陰を好み、日当たりの悪い庭で活躍します。日なたでも育ちますが、真夏などに強い直射日光を浴びると葉焼けして葉が傷み、観賞価値が低くなります。ただし、あまりに日当たりが悪い場所では枝葉がヒョロヒョロと伸びて間伸びした樹形になったり、実つきが悪くなることがあります。

【日当たり/屋内】一年を通して屋外での栽培が基本です。

【置き場所】土壌はやや湿り気があって、腐食質に富んだふかふかとした状態を好みます。暑さに強いのですが、西日が照りつける場所や乾燥しやすい場所は避けましょう。地植えの場合、朝のみ光が差す東側や、チラチラと木漏れ日が差す落葉樹の足元などがおすすめです。鉢植えの場合は、光が強くなる真夏は明るい半日陰の場所に置き、冬は日当たりがよく寒風が強く吹きつけない場所に置くなど、季節によって適した場所に移動して管理するとよいでしょう。

耐寒性・耐暑性

暑さに強いのですが、西日が照りつける場所や乾燥しやすい場所は苦手です。寒さには強く、屋外で越冬できます。

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アオキの育て方のポイント

用土


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【地植え】

まず一年を通して半日陰で、風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に直径、深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

市販の樹木用の培養土を利用すると手軽です。自身でブレンドする場合は、赤玉土小粒7、腐葉土3の割合にするとよいでしょう。

水やり


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水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。

真夏は、気温高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。

【地植え】

根付いた後は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。アオキは乾燥に弱いので、水切れに注意してください。ただし、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたのを見はからってから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬もカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。

肥料


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【地植え・鉢植えともに】

生育期に入る少し前の3月頃、生育を促すために緩効性化成肥料を株の周囲にまき、周囲の土を軽く耕して土に馴染ませましょう。あまり肥料を多く与えると枝葉が茂りすぎて樹形が乱れやすくなるので、与えすぎには注意してください。

注意する病害虫


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【病気】

アオキが発症しやすい病気は、褐斑病、炭疽病などです。

褐斑病は、かびによる伝染性の病気です。主に葉に褐色またはくすんだ茶色の斑点が現れ、下葉から枯れ上がっていきます。雨が多い時期に発生しやすいのが特徴です。発症した葉を見つけたら、早々に切り取って処分し、周囲に蔓延するのを防ぎましょう。適用する薬剤を葉の表と裏に散布して、防除します。

炭疽病は、春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビが原因で発生する伝染性の病気で、葉に褐色で円形の斑点ができるのが特徴です。その後、葉に穴があき始め、やがて枯れ込んでいくので早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので注意しましょう。密になると発病しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。水やり時に株全体に水をかけると、泥の跳ね返りをきっかけに発症しやすくなるので、株元の表土を狙って与えるようにしましょう。

【害虫】

アオキに発生しやすい害虫は、カイガラムシやアブラムシなどです。

カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mmほど。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。