そもそも介護施設ってどんなところなの?
病院と同じように介護施設も看護師が活躍できる職場のひとつですが、病院の業務とは異なる点がたくさんあります。そもそも、介護施設とはどのような施設のことなのかご存知でしょうか?介護施設は、介護が必要となった人が通う施設、または居住する施設のことであり、さまざまな種類のものがあります。まずは介護施設の特徴を種類別にご紹介します。
1. 特別養護老人ホーム(特養)
要介護が必要な高齢者が居住するための生活施設です。身体または精神的に著しい障害がある65歳以上の高齢者で、自宅で常時介護が必要にも関わらずそれを受けられない人が対象になっています。
日常生活を送るために介護がメインのため、医師の常駐が必要ではありません。ただ、看護師は常駐が義務付けられているため緊急時には看護師が対処することが多くなります。
2. 介護老人保健施設
要介護が必要な高齢者にリハビリなどを提供し、在宅復帰を目指すための生活施設です。入居中は、介護や機能訓練のほか、日常生活の世話などを受けられますが、自宅に戻ることを前提としている施設です。医師の常勤が義務付けられており、看護師も24時間体制で常駐しています。リハビリが主な目的なので、理学療法士などのリハビリ職が他の介護施設と比べて多いのも特徴です(公益社団法人日本理学療法士協会「統計情報 会員の分布」より)。
3. 介護療養型医療施設(介護療養病床)
要介護が必要な高齢者で、医療も必要としている人が長期的に療養するための生活施設です。しかし、介護療養型医療施設については介護保険法改正によって廃止され、2012年以降は新設されていません。今後は2018年に誕生した介護医療院にその役割は引き継がれていきます。
4. サービス付き高齢者向け住宅
高齢者が生活するための施設として提供されている住居です。60歳以上であれば入居が可能ですが、60歳未満の人で要介護または要支援認定を受けていれば入居することができます。
5. 有料老人ホーム
サービス付き高齢者向け住宅と同じように、高齢者が生活するための住居として提供されている施設です。入居するにあたって老人であることが条件ですが、年齢の制限はついていません。
6. 養護老人ホーム
経済的や環境的に困窮している高齢者が入所して生活する施設です。65歳以上であることが条件であり、環境及び経済的な理由で、自宅で養護を受けるのが難しい高齢者に提供されています。
7. 軽費老人ホーム
低所得高齢者のための住居施設です。家族からの支援を受けることができない60歳以上の高齢者で、身体的機能の低下などによって自立した生活ができない、または不安を抱えている人が入居できます。
8. 認知症高齢者グループホーム
認知症の高齢者が共同で生活し、支援や日常生活の機能訓練を受けるための生活施設です。要支援2以上の認知症の人が入居できます。
9. デイサービス
デイサービスは、ほかの施設と違って自宅から通所しながら生活の補助やリハビリテーションを受ける施設です。要介護の高い人が比較的少なく、重度の障害を持っている人もあまり多くはありません。看護師の在中人数は少なく、担当する利用者数が多くなる傾向にあります。
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介護施設での看護師の仕事内容や役割ってどんなもの?
介護施設で活躍する職業と言えば、介護福祉士などの介護職を真っ先に浮かべる人が多いのではないでしょうか。ほかにも、リハビリを担当する作業療法士や理学療法士も活躍していますよね。このように、介護の専門家がたくさんいる中で、看護師は一体どのような仕事内容を担当しているのでしょうか。
介護施設に勤務する看護師の仕事は、主に施設に入居している高齢者の健康管理や、薬の管理(投薬管理)などです。介護職が日常生活のサポートをするのに対し、看護師は医療や看護の立場から入居者をサポートすることが求められています。
さらに、医師との入居者の間で調整を行い、安全で質の高いサービスを提供するために介護職員やそのほかのスタッフとも連携を図ることが求められています。つまり、チーム医療を行う一員としてほかの職種の人たちとも常にコミュニケーションをとる必要があるのです。
◆具体的な仕事内容の例・施設全体の安全な環境の確保・インフルエンザ発生の予防、蔓延の防止・感染性胃腸炎など感染症発生の予防、蔓延の防止・感染症を発症した入居者の管理・薬の管理(投薬・服薬管理)・バイタルチェック・吸引、呼吸器ケア・褥瘡のケア・睡眠のケア・他職種との連携を図るマネジメント など