病院と介護施設の違い、介護施設の業務の特徴は?

病院では、病棟に入院している患者のお世話を看護師が担当することがほとんどですが、介護施設では介護職がその役割を主に担っています。しかし、看護師が日常生活のサポート業務をしなくてもいいというわけではありません。

介護施設の場合は病院と違って、その場所を生活居住スペースとしている高齢者がほとんどですから、入居者が常によりよい生活を送れるように、スタッフとしてサポートすることも大切です。介護の側面から見ると、介護職が中心となったチームケアが組まれますが、医師の常駐しない介護施設では必要に応じて医療処置を行える看護師の存在は欠かせません。

また、「入居者がその人らしく生活を送るためにはどうしたらいいのか?」「入居者の家族が求めている生活をどのようにして実現させるか?」ということも考える必要があります。そのため、入居者のアセスメントも重要です。入居者から得た主観的情報と、客観的情報にもとづいて「介護度や病気が悪化しないためにどんなケアを行えばいいのか」といったことも計画していかなければいけないのです。

さらに、介護施設によっては最期をその施設で迎える高齢者も多くいます。そこで、医療ケアや日常生活だけではなく「満足できる生活を提供できているのか?」「喜びや安心感はあるのか?」といったホスピタリティの面からも、マネジメントサポートすることが求められています。

このように、医療ケアだけではなく、入居者個々のマネジメント、さらには医療チームとしてのマネジメントをしているのが、介護施設で働く看護師業務の特徴です。

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介護施設で働く看護師のメリットについて

病院と看護施設では、担当する仕事内容が異なるためどっちで働いた方がいいのか迷っている人も多いかもしれません。そこで、介護施設で働く看護師のメリットについてまとめてみました。

◇残業なしで定時に帰れることが多い

病院では、急な入院対応に追われて気が付いたら定時を過ぎていたということもよくありますが、介護施設の場合は急に入居者が入ってくるということはありません。そのため、残業なしで定時にあがれることが多く、保育園や幼稚園のお迎え時間が決まっているという人でも安心して働けます。プライベートと仕事を両立させやすい職場と言えるでしょう。

◇病院に比べて体力を使う業務が少ない

介護施設では、入居者のケアは介護職が担当するため、看護師は体力を使う仕事が少なくなります。病院での看護業務は意外に肉体労働が多いため、ハードな業務に疲れてしまった人や、体力的に難しくなってきた人でも安心して働けます。産休や育休明けでも活躍しやすい環境であり、妊娠を望んでいる人も働きやすい環境と言えるでしょう。

◇今後ニーズが高くなる介護の現場で活躍できる

今回は、介護施設に限定して看護師の仕事内容を紹介しましたが、介護の現場においては訪問看護などでも活躍の場があります。訪問看護はこれからますます需要が高まってくると言われており、看護師には介護領域での専門的な知識も求められる時代になってきました。そのため、介護施設で働いた経験のある看護師の需要も高まってくるはずです。介護の現場で経験を積み、看護師のスキルアップにつなげたいという人にとっては大きなメリットとなるでしょう。