読者のお悩みに専門家が答えるQ&A連載。58歳女性の「セックスが嫌で不機嫌な態度をとり続けて10年以上…本当に夫を嫌いになってきてしまった」というお悩みに、夫婦問題カウンセラーの岡野あつこさんが回答します。
58歳女性の「不機嫌なふりを続けていたら本当に夫が嫌いに…」というお悩み
夫52歳、私58歳、娘2人が23歳と20歳の4人家族です。
夫とのセックスが嫌で、10年以上前からずっと不機嫌な態度で生活してます。少しでも仲良く話をすると、夫がすぐにその気になるからです。
ずっと、不機嫌な態度をしていたら、夫の行動や発言が気になり出し、本当に嫌いになってきてしまいました。会話もほとんどありません。頭では、ちゃんとしゃべらなきゃと思ってるのですが、顔を見ると「はぁ……」とため息が出てしまいます。でも、金銭的な部分も含め、離婚はしたくないと思っています。
セックスは拒否しつつ、仲良く話をしたりするためには、どうしたらいいのでしょうか。
(58歳女性・アリンコさん)
(広告の後にも続きます)
岡野さんの回答:セックス以外の愛情表現方法を探して
夫婦問題カウンセラー、そしてパートナーシップアドバイザーの岡野あつこです。
今回、アリンコさんがここに相談に来たということは、夫に対して不機嫌な振りを続けて夫が嫌になってきたことに対しての後ろめたい気持ちや、そういう自分が嫌になってしまった……という感情が湧いてきたからではないでしょうか。
長年夫婦でいて不満があったり、夫に対して嫌な感情が湧くことに対して、大概の妻は「私は家事や育児をがんばってきたんだ」「私は我慢し続けてきたんだ」「私は悪くない、悪いのは夫だ」と言い、自分を正当化するものです。
でも、アリンコさんは家族のために一生懸命働いて、気配りこそ足りないかもしれないけれど、子どもたちにとってもいい父親である夫に、感謝し認めてもいるのだ思います。
しかし、家族としてなら認められても、男と女としてだったり、夫婦の営みを考えると少し違うのでしょう。
感謝やありがたみより、義務のように思えるその行為自体が嫌。だから体が燃えない、濡れない、気持ちのいいセックスができない、というような思考回路で、セックスという行為に踏み出せなかったのでしょうか。
だから不機嫌な態度を取るという苦肉の策ではあったけれど、アリンコさん流のバリアを作り、夫が踏み込んでこないようにしてきたのだと思います。アリンコさんなりの葛藤を持ちながらも、がんばってきたのでしょう。
でもここにきて、夫に対する申し訳なさや自分のやり方への後悔も混じってきているのだと思います。
「本当は家族として会話でのコミュニケーションを楽しみたい。でも、まだ52歳の夫は、セックスという夫婦のコミュニケーションを求めてくるだろう」と予測ができてしまうから、楽しく会話もできない……すごく深い問題だと思います。