50代夫婦関係:セックス拒否し続けていたら、本当に夫を嫌いに…夫婦関係カウンセラーがアドバイス

理由を伝えて新しい関係の一歩を踏み出す

アリンコさん自身の罪の意識や、自分自身を苦しめている毎日から脱却するためには、少々の勇気が必要です。

それはスバリ、一度勇気をもってセックスのことについて話し合ってみることです。

正直な話し合いの中では、夫が傷つかないように理由をしっかり伝えるようにしましょう。「更年期にさしかかり、どうしてもセックスができない」もしくは「ホルモンのバランスの不調」と言うのも、いいかもしれません。もしアリンコさんが女性特有の病気で通院しているのなら、それも理由になります。

「悪気はないのだけれども、セックスができない」という、アリンコさん自身の心の悩みを夫に相談してみてください。

もし、二人きりで話すことに抵抗があるなら、レディースクリニックや心療内科の先生などに相談をして、「夫とのセックスを望まない」気持ちを、専門家から伝えてもらうという方法もあります。カウンセラーと一緒に、夫に理解してもらうための話し合いをしている人もいます。

夫は、もちろん夫婦のコミュニケーションとしてセックスがあることが理想的でしょうが、今のようにアリンコさん自身が嫌になるほど、毎日不機嫌な態度を取られることの方がつらいことだと思います。

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新たな夫婦のコミュニケーション方法を探して

ただ「嫌」と伝えるだけではなく、夫婦のコミュニケーションとして代わりにできることを探すのも大事です。

セックスはできないけれどもハグはできる、一緒に寝る、手をつなぐ、腕枕で寝る、そういう気持ちと気持ちのつながりを大事にすることから始めてみてください。

家族のために働いてきた夫として父親としての感謝とねぎらいを含めて、アリンコさんのできることを提案していけば、夫も協力して新しいコミュニケーションを考えられるのではないでしょうか。

一人で悶々と考えて自分が自分を嫌になって人生を送るより、勇気を奮い起こして話し合ってみましょう。我慢を重ねる夫のためにも新しい二人のコミュニケーション方法を見つけてパートナーシップを作り上げていってください。

ここまで我慢して、愛人を作ったり離婚を言い出したりしない夫。まだまだ定年までがんばってくれる夫。きっとアリンコさんの心も理解してくれます。

回答者プロフィール:岡野あつこさん

おかの・あつこ 夫婦問題研究家、公認心理師。離婚診断士(R)。NPO日本家族問題相談連盟理事長。
自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。30年間で3万5000件以上の相談を受け、その成功事例ノウハウを数多く持つ。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)、電子書籍『離婚診断』(アデル出版)がある。

・離婚相談救急隊運営
・「離婚診断士(R)養成オンライン講座」開講
・YouTube「岡野あつこチャンネル」