体を動かす筋肉や関節、維持できてる?「カラダ年齢」をセルフチェック【整形外科医が解説】

姿勢を美しくするためのエクササイズ

ここから抗重力筋を意識した、簡単にできるエクササイズをご紹介します。エクササイズは痛みのない範囲で行ってください。

1. 全身を伸ばす

手を上に伸ばし、足と手の両方にぐっと伸びをします。その後、自然に手を下ろします。

2. 胸を開く

両腕を肩から肩甲骨を寄せるように外側に回し、後ろに引き上げます。

肩が動かしづらい方は手を体の後ろで組んで、後ろに引き上げます。痛みが出ない程度に。

3. 体側を伸ばす

右手首を左手でつかみ、左側に体側を伸ばすように倒します。左右入れ替えて同様に。

朝起きたときはもちろん、日中の姿勢が気になるときに何度でも繰り返し行いましょう。

(広告の後にも続きます)

見た目に美しいだけではダメ、体をきちんと使う「機能美」を目指しましょう。

体の機能を若々しく保つことが美しい姿勢につながります。人には3つの年齢があるといわれます。中でも注意したいのが、内臓年齢と運動器年齢。この両軸の若さを保ててこそ、健康長寿が実現できるのです。

【3つの年齢:1】暦の年齢
毎年必ず、誰もが1歳ずつ重ねる年齢。生理学的年齢。

【3つの年齢:2】運動器年齢
筋肉や骨格など、運動器の機能年齢。ロコモティブシンドロームと呼ばれる運動器の老化が進んだ状態では体力の低下や痛みが出たりし、最悪の場合、寝たきりを招きます。

【3つの年齢:3】内臓年齢
血圧やコレステロールなど、臓器の機能年齢。内臓の老化が進むとメタボリックシンドロームなどから、心疾患などの血管障害が起こります。

内臓年齢の老化は「メタボ」の言葉の普及とともに、意識する方も多くなりました。一方、運動器年齢はどうでしょう。体重の増減ばかりを気にして、できれば運動したくないと思っていませんか。

実は厚生労働省の調査によると、寝たきりになる方の約3割が運動器の衰えが原因。運動器が衰え、転倒や関節痛から歩けなくなったのでは、どんなに内臓年齢が若くても、健康とはいえません。太っている、痩せているに関係なく、適度な運動習慣を保つことが、運動器年齢を若く保ち、寝たきり予防にもなるのです。

体を動かせば、気分もよく、リラクゼーション効果も期待できます。また、運動によって脂肪燃焼を促進し、代謝を上げれば、内臓年齢の若さにもつながります。

モデルのようにすっとした美しさは必要ありません。意識してほしいのは、きちんと体が使える「機能美」。美しい姿勢も、機能美を目指す第一歩になります。姿勢が整えば、全身に空気が入り、筋力もつきやすくなるからです。

姿勢は崩れていないか、関節は固まっていないか、どこか痛みや不調が出ているところはないかなど、毎日、自分の体と向き合いましょう。