生前贈与と相続の違いって?特徴やメリット・デメリットを弁護士が解説!

相続の仕組みは?

生前贈与に対し、相続とはどのような仕組みなのでしょうか。相続税の基礎控除額などをお聞きしました。

 

相続税の基礎控除額

ー相続税も、贈与税のように基本的な控除額などが決まっているのでしょうか?

はい。相続税では「3,000万円+600万円×法定相続人の数」が基礎控除額となります。この金額を超えなければ、相続税はかかりません。

 

ー3,000万円!?そもそも相続税がかかる世帯自体、あまり多くないように感じますね…。

はい。国税庁が発表した資料によると、相続税が実際に課税されたケースは全体の約8.8%にとどまっています。

基礎控除額が高く設定されているため、相続税がかかるケースは少ないのですね。

※出典:「令和2年分 相続税の申告事績の概要」より

 

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生前贈与を実施しているのはわずか3割!要因は?

株式会社アシロの調査によると、生前贈与を実施しているのは全体の約3割。なぜ生前贈与はあまり利用されていないのでしょうか。

 

制度が複雑でよく分からない

ー生前贈与は実施したいと思う方は7割強である一方、利用している方が少ないのはなぜでしょうか?

私の肌感では、「言葉は知っているけれど仕組みが分からない」といった方が多い印象です。贈与税の特例制度などは、自分から調べないとそういった情報に接することはできず、条件も細かく設定されています。

そのためどうしても利用率が減ってしまうのでしょう。

 

生前贈与がそもそも必要ないというケースも

ーなるほど。たしかにいろいろなルールがありますもんね…

先ほど相続税のところで説明した通り、そもそも相続税がかからない場合も多いでしょう。税金対策としての機能が主であるため、生前贈与が必要ないという世帯もかなり多いと思います。