ガウラの育て方のポイント
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ここまで、ガウラの基本データや品種、花言葉などについて、幅広くご紹介しました。ガーデンで楚々とした魅力を発揮させてみたくなってきたのではないでしょうか。ここからは、ガーデニングの実践編として、適した栽培環境や植え付け方、水やりや肥料などの日頃の管理、摘心や花がら摘み、切り戻しなど、美しい草姿に仕上げるテクニック、病害虫対策や増やし方など、詳しく解説します。
用土
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【地植え】
植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕してふかふかの土を作っておきましょう。土壌改良資材や肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。
【鉢植え】
草花用に配合された培養土を利用すると便利です。
水やり
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株が蒸れるのを防ぐために、茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えます。
真夏は、気温の高い昼間に行うと、すぐにぬるま湯になり、株が弱ってしまいます。朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。
また、真冬は、夕方に水やりをすると、その後どんどん気温が下がって凍結する場合があります。植物にダメージを与えないよう、十分気温が上がってきた昼間に水やりすることがポイントです。
【地植え】
根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。
【鉢植え】
日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイントです。
肥料
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ビギナーの場合、緩効性化成肥料と速効性のある液肥を常備しておくとよいでしょう。植物への汎用性が高く、においがしないため扱いやすいのがメリット。開花期に与える液肥は、開花促進を目的とした成分配合の製品を選ぶのがおすすめです。
【地植え】
やせ地でも育つほど強健な性質なので、地植えの場合は植え付け時に十分な土作りをしておけば、肥料は不要です。
【鉢植え】
4〜6月と9〜10月に緩効性化成肥料を株の周囲にまいて、株の勢いを保ちましょう。花茎が上がってきた頃から開花が終わるまで、2週間に1度を目安に液肥を与えると、次から次につぼみが上がってきます。
注意する病害虫
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【病気】
灰色かび病が発生することがあります。花や葉に発生しやすい病気で、褐色の斑点ができ、灰色のカビが広がっていきます。多湿で込み合いすぎていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなります。花がらはこまめに摘み取り、茎葉は適宜間引いて風通しよく管理しましょう。
【害虫】
アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじき落としたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒剤を利用するのがおすすめです。
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ガウラの詳しい育て方
ここからは、実際にガウラを育て始める際に知っておきたい苗の選び方や植え付け方法、花がら摘みや剪定といった日々のお手入れ、長く楽しむためのガウラの増やし方などを解説します。
苗の選び方
茎がしっかりと力強く、葉に傷みがなく葉色が青々ときれいなものを選びましょう。
植え付け
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植え付けの適期は温暖地で4〜6月頃です。園芸店で苗を購入してスタートする場合は、手に入り次第植え付けます。高性種は横にも広がるので、植え付ける際はある程度スペースを確保するようにしましょう。
【地植え】
土作りをしておいた場所に、ポットから苗を出して植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、30〜40cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。
【鉢植え】
鉢の大きさは、入手した苗の2回りほど大きいものを準備します。鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ガウラの苗を鉢に仮置きして高さを決めてから、根を傷めないように苗をポットから出して植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。
摘心
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「摘心(摘芯とも)」とは、「芯摘み」「ピンチ」ともいい、苗の最先端の芽を摘み取る作業のことをいいます。すると摘み取った芽の下の葉からわき芽が出て、枝数を増えるのです。この「摘心」を何度か繰り返すことでこんもりと茂り、草丈も抑えられて充実した株になりますよ。
花がら摘み
開花期間が長いので、終わった花は早めに取り除きましょう。花穂の頂部まで咲き終えた花茎は、元から切り取ります。
花がらを処分して株周りを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなるので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして長く咲き続けてくれます。
種まき
種まきの適期は5月頃です。こぼれ種で増えるほど丈夫なので育苗の必要はなく、花壇や鉢に直接播いて、薄く土をかぶせればOK。込み合っている部分があれば適宜間引き、バランスのよい株間を取って育成します。
支柱立て
高性種は成長すると倒れやすく、姿も乱れがちになるので、支柱を立てるとよいでしょう。
剪定・切り戻し
生育期に株が込み合い、風通しが悪くなると、蒸れて枯れ上がってきたり、病気にかかりやすくなったりするので注意。一通り花が咲いて草姿が乱れてきたら、草丈の半分~1/3くらいまでを目安に、切り戻してスッキリとさせましょう。すると再び枝葉を伸ばして、つぼみを上げてきます。
また、冬前には地際から10cmほどのところで刈り取り、冬越しさせます。
植え替え・鉢替え
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【地植え】
基本的に植え替えは不要です。しかし数年経って大株に育ち、窮屈そうになっていたら掘り上げて株分けし、植え直すとよいでしょう。
【鉢植え】
生育が旺盛で根詰まりしやすいので、1年に1度は植え替えましょう。植え替えの適期は4〜6月です。鉢から出して根鉢を崩し、古い根は整理して1/3くらいまで小さくして植え直します。
夏越し
耐暑性に優れ、夏越しは特別な作業はありません。ただし、品種によって夏の直射日光に晒されると花色が薄くなることがあるため、気になる場合は真夏は半日陰で育てるとよいでしょう。
冬越し
比較的耐暑性があり、暖地なら一年を通して屋外で管理できます。冬前には地際から10cmほどのところで刈り取り、冬越しさせます。
北海道などの寒冷地では、地植えであれば冬越しが可能です。鉢植えの場合は屋内や軒下に移して管理するとよいでしょう。
増やし方
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ガウラは、挿し芽、株分け、種まきで増やすことができます。
【挿し芽(挿し木)】
挿し芽(挿し木とも)の適期は5月頃です。まず、勢いのある枝葉を約5cmの長さで切り取り、水を張った容器に1時間ほどつけて吸水させておきます。市販の草花用培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した枝葉(挿し穂)を挿します。摘心や切り戻しをした茎葉を使ってもOKです。水切れしないように管理すると、しばらくして発根するので、黒ポットなどに植え替えて育苗しましょう。株が大きくなったら、植えたい場所に定植します。挿し木のメリットは、採取した株のクローンになることです。
【株分け】
株分けの適期は、3月頃です。大株に育っていたら株を掘り上げ、2〜3芽つけて根を切り分けると、株が若返ってその後の生育がよくなります。株数が増える分、数カ所に植え直してもいいですね。新しい植え場所に根鉢より一回り大きな穴を掘り、腐葉土をすき込んで水はけをよくしておきます。元肥として緩効性化成肥料を用土によく混ぜ込んでから植え直すとよいでしょう。
【種まき】
ガウラは発芽率が高く、こぼれ種でも発芽します。ただし品種によっては種子ができにくいこともあるので、その場合は挿し芽や株分けで増やしましょう。
4〜5月、もしくは9〜10月に種まきを行います。晩秋に種まきをすると、次の年の春に花を咲かせます。
楚々とした繊細な雰囲気が魅力のガウラを育てよう!
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ガウラは蝶に似た花を多数咲かせ、楚々とした風情が魅力の草花です。高性種は花壇なら中〜後段に向き、ナチュラルな雰囲気づくりに一役買ってくれ、矮性種は低い位置で花を咲かせて花壇の縁取りや寄せ植えにも活躍するなど、ガウラは品種によって鉢植え・庭植えの両方で楽しむことができます。ぜひここでご紹介したガウラの育て方を参考に、あなたも庭に取り入れてみてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。