生きているだけで自信を持っていい根拠がある
最後に、私が落ち込んだとき、自信を取り戻すために再確認していることをご紹介します。
ぱぴ0618さんも私も、約37兆個の細胞が結びついて機能している体を持っています(37兆は1秒に3個ずつ寝ないで数えて40万年ほどかかる数だそうです)。
また、人体を構成している主な元素は、酸素65.0%、炭素18.0%、水素10.0%、窒素3.0%、カルシウム1.5%、リン1.0%です。これらの元素は、宇宙ができた100億年以上前から、宇宙のどこかにあったもの。巡り巡ってぱぴ0618さんの体をつくっています。ですから、ぱぴ0618さんの体は宇宙と同い年といえます。
そんな体で生きているぱぴ0618さんは、今日、先祖たちから受け継いだ命の第一線を生きています。そして、他の誰でもない自分の人生の最前線を、今日も、生きているのです。
このように考えれば、“生きていること自体”に自信を持っていいことがわかります。
多くの自信には、たいした根拠はありませんが、「約37兆個の細胞でできていて、宇宙と同い年の体で、今日も命の第一線、人生の最前線を生きている」は、自信の裏付けとして十分な根拠と言えるでしょう。
「仏教」は「仏の教え」と「仏になるための教え」の二つの意味がありますが、自信は「自分を丸ごと信じる力」であり、「自分が持っている力(可能性)を信じる」ことかもしれません。
ぱぴ0618さんが無事に橋を渡り、不安の少ない、自信に満ちた生き方ができることをお祈りしています。
回答者プロフィール:名取芳彦さん
なとり・ほうげん 1958(昭和33)年、東京都生まれ。元結不動・密蔵院住職。真言宗豊山派布教研究所研究員。豊山流大師講(ご詠歌)詠匠。写仏、ご詠歌、法話・読経、講演などを通し幅広い布教活動を行う。日常を仏教で“加減乗除”する切り口は好評。『感性をみがく練習』(幻冬舎刊)『心が晴れる智恵』(清流出版)など、著書多数。
構成=渡邊詩織(ハルメクWEB)