昇給とベースアップの違い
労働者たちのストライキ
【画像出典元】「Anna- stock.adobe.com」
昇給と似たものに「ベースアップ」があります。
ベースアップとは、従業員全体の給料水準を底上げすることを意味します。昇給は従業員個人に対してそれぞれ行いますが、ベースアップは全従業員一律で引き上げることになるため、その判断は慎重に進める会社が多いです。
ベースアップは、社内の労働組合が経営陣に対する要求を機に交渉されることが多く、この運動は「春闘」と呼ばれ、毎年2~3月頃にかけて行われます。
今年の春闘の動向
2024年度の春闘では、日本労働組合総連合会から以下の要求案が出されています。
・ベースアップ相当分として「3%以上」の賃上げ
・定期昇給分を含めて「5%以上」の賃上げ
賃上げ要求の背景には、度重なる物価上昇が関係しており、連合側は昨年に引き続き持続的な賃上げを目標としています。
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企業規模別の平均昇給額は?
従業員数が1000人以上の大企業と1000人未満の中小企業では、昇給額の水準が異なります。以下の表は、企業規模別の平均昇給額をまとめたものです。
昇給額(規模別)
【画像出典元】厚生労働省「賃金引上げ等の実態に関する調査(令和4年)」より一部抜粋
ご覧のように、従業員数が5000人以上の大企業の場合、昇給額は6478円、昇給率2.0%と高い水準です。企業規模が小さくなると昇給額や昇給率は減る傾向があるものの、300~999人の中小企業の昇給率は大企業に迫る水準となっています。