介護職の勤務形態
病院や介護施設で働く介護職の勤務形態は大きく2つに分けられます。
2交代制勤務(日勤と夜勤)
2交代制勤務は、日勤と夜勤を交代に行う勤務形態です。介護職の夜勤時間を施設形態別にみると、2交代制勤務が占める割合は次のようになっています(日本医療労働組合連合会「2017年 介護施設夜勤実態調査結果」より)。
特別養護老人ホーム
・16時間以上の2交代 80.0%
・16時間未満の2交代 10.0%
介護老人保健施設
・16時間以上の2交代 64.3%
・16時間未満の2交代 14.3%
グループホーム
・16時間以上の2交代 64.1%
・16時間未満の2交代 30.8%
調査結果から、多くの病院や施設では1回の夜勤が16時間以上となっていることがわかります。夜勤時間だけを聞くと、「16時間以上も連続で働くの?」と驚く人もいるかもしれません。
労働基準法では、1日の労働時間(法定労働時間)は原則1日8時間、1週間で40時間以下と定められています。それにも関わらず、介護職が1日16時間以上の夜勤をしている理由は、「変形労働時間制」が採用されているためです。
「変形労働時間制」とは、一定期間(1ヶ月または1年)の労働時間を平均し、1週間当たりの労働時間が法定労働時間(40時間以内)を超えない範囲内で、特定の日または週に、法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。
2交代制勤務では、16時間以上と1回の勤務時間が長くなる分、同じ週に休日が増えるので、連休がとりやすくなるといったメリットがあります。
3交代制勤務(日勤、準夜勤、深夜勤)
3交代制勤務は、勤務時間が日勤、準夜勤、深夜勤の3つに分かれている勤務形態です。準夜勤は夕方から深夜までの勤務、深夜勤は深夜帯を中心とした勤務となります。準夜勤と深夜勤の勤務開始時間や終了時間の細かい取り決めは、勤務する病院や施設で異なります。
また、3交代制勤務は2交代制勤務と違い、1回の勤務が約8時間と決められていることが特徴です。
介護職の勤務形態には「2交代制勤務」「3交代制勤務」に加えて、早番(早出:日勤の勤務時間よりも勤務開始時間が早い)や遅番(遅出:日勤の勤務時間よりも勤務開始時間が遅い)がある病院や施設もあります。
事業所ごとに勤務形態が異なるので、病院や施設の求人情報を見る時には、介護職の勤務時間・勤務形態の情報欄を参考にするといいでしょう。
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夜勤の介護業務時間の長さに感じる不安
夜間に仕事をする時間が長くなると、生活リズムが崩れたり、心身の疲労がとれなかったり、自分の体へかかる負担に、不安を感じることがあるかもしれません。
実際に、介護職と同じく夜勤が一般的な看護職では、退職してしまう要因の一つとして夜勤があげられています(日本看護協会「2007年 潜在ならびに定年退職看護職員の就業に関する意向調査報告書」より)。
平成28年度の診療報酬改定では、病院や診療所で働く看護職員の夜勤負担を減らすために、1人当たりの月の平均夜勤時間数が72時間以下になるように取り決められました。
ただし、介護施設ではいまのところ夜勤時間数の取り決めはされておらず、施設ごとの就業規則に添って夜勤時間数が決められています。
また、日本看護協会は夜勤の場合、実際の労働時間が8時間より短くても夜勤中に1時間以上の休憩をとることを推奨しています。