冬のスキンケア薬膳② 血行を促進する食材
陽気を補う食材をとり入れたら、さらに血行をよくする食材もプラスしましょう。特にシミやクマ、くすみ、肌の黒ずみ、あざなどが気になる人は、血行が悪い「瘀血(おけつ)」と呼ばれる状態で、冬になると寒さでさらに瘀血が悪化して角質がゴワゴワに固くなったり、うろこ状にひび割れしたり、色素沈着でシミが増えたり濃くなったりする場合も。血行をよくする食材を積極的にとって、トラブルを防ぎましょう。
血行を促進する食材にはチンゲンサイ、なす、にら、しょうが、みょうがなどがあります。いずれも煮物や炒め物などでとるのがおすすめですが、さらに味つけに酢やぽん酢を使うと血行促進の効果がアップ。黒酢炒めやポン酢炒め、ポン酢を使った煮びたしや焼きびたしなどにすれば、血行促進薬膳が完成です。
カレーにも血行を促進する効果が期待できます。カレーに含まれるターメリックは血行を促進する食材であり、そのほかのカレーに含まれるスパイス類も体を温めて血行促進を助けます。カレーライスのほか、カレー粉を使ったカレー炒めなどの料理もおすすめです。
なお、血行を促進するためには生薬入りの入浴剤でしっかり入浴することも効果的。当帰(トウキ)や川芎(センキュウ)などの血行を促進する生薬が含まれた入浴剤を活用するといいでしょう。
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冬のスキンケア薬膳③ 肌に潤いを補う食材
肌に潤いを補う食材には、今、旬を迎えている食材が多くあります。旬の味を楽しみつつ、内側からのスキンケアも実践していきましょう。
今が旬の肌に潤いを補う食材といえば、まず挙げられるのがれんこん。加熱したれんこんには、肌に潤いを補って傷などの再生を促す性質があります。きんぴら、ごま和え、根菜汁などの料理なら、毎日の食事にプラスしやすいでしょう。
いかも肌に潤いを補う食材で、今はこういか(すみいか)が旬を迎えています。いかには血(けつ≒血液)を補う性質もあるので、特に貧血やめまいが気になる人は積極的にとるといいでしょう。バターソテーや唐揚げなど、加熱した料理がおすすめです。
やまいももこの時期に旬を迎える、肌に潤いを与える食材。のどなどの呼吸器官にも潤いを与えるので、せきやのどの乾燥が気になるときにも適しています。やまいも料理というとすりおろしたとろろが思い浮かびますが、冬のスキンケア薬膳の場合は加熱した料理が好ましいので、ソテーや天ぷら、とろろ焼きなどの料理でとり入れてください。
そして、これらの「冬のスキンケア薬膳」の総仕上げとなるのが睡眠。東洋医学では体内で水分が生まれるのは夜の睡眠中とされていて、夜が長い冬は一年で最も体に潤いを蓄えやすい季節と考えられています。冬は四季の中で最も長く睡眠をとるべき季節と心得て、できるだけ夜11時までにベッドに入ることを目標にしてみてください。遅くとも日付が変わる前には就寝を。続けていけば、きっとスキンケア効果が実感できるでしょう。