3.就労定着支援との違い
就労定着支援とは、その名の通り、職場への定着支援をおこなうサービスです。今までも就労移行支援には定着支援サービスがあったのですが、自立を目指す障がい者が増えてきたことから、独立した制度として2018年にスタートすることになりました。
就労定着支援の対象となるのは、就労継続支援や就労移行支援、そのほか自立訓練サービスなどを経験して障がい者雇用枠での就労を含め一般就労した人です。
サービスは働きやすい環境づくりのお手伝いで、就労移行支援後の6ヶ月サポートが終わった、さらに半年後から受けられるようになり、1年ごとに更新、最長で3年間利用することができます。
具体的な支援の内容としては、障がい者が実際に働いてみて出てきた悩みやトラブルへの対応となります。例えば、同僚と上手にコミュニケーションが取れない、ミスが多く周囲から指摘される、生活リズムが変わったため朝起きられない、など。
こういった問題を解消するために、面談をしたり、職場の方から話を聞いて問題点を探ったりと、適切なフォローが必要となります。
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4.就労支援のなりたち
これまで就労継続支援・就労移行支援・就労定着支援の3つを解説してきました。
それぞれの支援制度ができた背景を知っておくと、さらに理解が深まるので、ここで簡単に説明しましょう。
「障害者雇用促進法」が施行されたのは1976年のこと。法律が施行されるのと同時に就労継続支援がスタートしました。それまで、障がい者が就職するのはなかなか難しい時代でした。
法律の施行後、「就労継続支援A型」や「就労継続支援B型」の福祉サービスを利用して、多くの障がい者が仕事のやり方や作業訓練を学びながら、就職していきました。
それからしばらく経ち、2006年。「障害者自立支援法」が施行され、就労移行支援がスタートしました。これは障がい者が福祉施設でなく、一般企業などに就職できるよう支援する制度です。就労移行支援事業所で就職に必要なことを学んで、一般企業に就職する人の数も増えました。
「就労継続支援」と「就労移行支援」の2つにより、就労する障がい者の数は確実に増加する一方、就職後の早期に離職してしまうケースが多いということがわかってきました。
障がい者が就職するまで手厚い福祉サービスがあっても、職場に定着のするための精神面、生活面でのフォローが何もなかったことが原因だと考えられます。この課題に対応するため、2018年に新設されたのが「就労定着支援事業」です。
このような時代の流れの中で、就労継続支援→就労移行支援→就労定着支援という順番に制度ができていきました。