新NISAが始まったことで「非課税」という恩恵をこれまで以上に受けられるようになりました。選択肢が広がったことで、商品選びについて悩んでいる方も多いのではないでしょうか。オルカンやS&P500という言葉をよく耳にしますが、お金のプロである肉乃小路ニクヨ氏は初心者には向いていないといいます。そこで本稿では、肉乃小路氏による著書『いま必要なお金のお作法 幸せを呼ぶ40のマネープラン』(KADOKAWA)から一部抜粋し、初心者が真似るべき新NISAの運用法について解説します。

投資初心者の新NISA活用法は?

今までより格段に使いやすくなった新NISA。その具体的な内容もわかったところで、個人は新NISAをどう活用していくべきか? 選択肢が広がった分、迷いますよね。

すべての人に共通するメリットとしては「非課税」ということです。沢山利益が出ても、税金はかからないのですから、王道としては新NISAの口座では大きなリターンが期待できる運用をしたいものです。

でもリターンが大きいということは、リスクが大きいのも事実です。大きく損をするのも怖いですよね。2024年8月初旬に起こったジェットコースターのような市場の上げ下げに驚いた人、不安に思った人も多いと思います。

どういう目的で新NISAに取り組みたいかによって、運用も変わってくると思います。

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初心者はGPIFを真似たバランス型投資信託

これからの日本は円高・円安どちらに振れるかわからない状況です。今まで経済にあまり関心を持たれなかった方は、特に何に投資をすれば良いか迷われますよね。でもいろいろなところで投資の王道として「長期・積立・分散」が良いというのは聞いているはずです。

この「長期・積立・分散」を叶えやすい商品が投資信託です。投資信託は少額から始められ、投資先を分散しながら買えます。特に金額指定で100円から積み立てることが可能なので、積立に向いている商品だと思います。

長期での運用を考えるのであれば、手数料の安い投資信託を積み立てるのが良いと思います。そう考えると初心者にお勧めなのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と同じポートフォリオ(資産構成)を持つ投資信託で、パッシブ運用のものです。

具体的に言うと国内株式に25%、国内債券に25%、外国株式に25%、外国債券に25%という構成割合で、投資信託の種類としてはバランス型投資信託になります。

新NISA開始以降、初心者を含めて「オルカン」という全世界の株式に分散投資をする投資信託や、「S&P500」という米国を代表する500社に分散投資する株式型の投資信託を勧める声が強いですが、私は「オルカン」や「S&P500」は本当の初心者には向いていないと思います。

初心者は最初からすべての投資資金を株式だけに投入するのは向いていません。

株式は上がり下がりの振れ幅やスピードが大きいですし、外国資産に投資する商品の場合には為替のリスクもあります。なので、国内資産半分、海外資産半分、株式半分、債券半分のバランス型の投資信託であれば、資産の分散が効いていて、国内/海外・株式/債券のどちらかが悪くても、どちらかの評価が上がったり、維持したりで補い合います。

安定した長期運用を目指すGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が考え抜いたポートフォリオです。それはつまり日本のトップレベルの賢人が考え抜いたポートフォリオですから、まずはこれを真似しましょう。

肉乃小路ニクヨ

経済愛好家

※本記事は肉乃小路ニクヨ氏による著書『いま必要なお金のお作法 幸せを呼ぶ40のマネープラン』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。