更年期以降に急増する【尿漏れ・頻尿】を自分で治す!骨盤底ケア習慣とは【医師解説】

骨盤底ケア2:トイレを我慢する膀胱トレーニングを行う

頻尿や尿漏れに悩む人は、漏らさないようにすぐトイレへ行く癖がついていますが、それは症状の改善には逆効果だと関口さんは言います。

「トイレに行きたくなってもすぐ行かず、骨盤底をキュッと締めて尿意をいったん下げてから、ゆっくりトイレへ。お腹に力を入れず、自然にまかせてゆっくり尿を出す習慣で、膀胱は鍛えられます」

膀胱トレーニングのやり方

STEP1:尿意をもよおしても、すぐにはトイレに行かず、ちょっと我慢してみる。最初は5分程度我慢する。

STEP2:無理なく我慢できるようになったら、10分、15分と我慢する時間を少しずつ延ばしていく。

STEP3:1週間~1か月くらいかけて少しずつ膀胱の容量を増やしていく。骨盤底トレーニングとあわせて行えばさらに効果的。

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骨盤底ケア3:デリケートゾーンを保湿する

GSMによる膣や外陰の乾燥やムズムズ、かゆみ、尿漏れ、頻尿などの進行を抑えるためには、毎日の保湿ケアが有効です。入浴後に、全身用の保湿剤でいいので、膣や外陰に塗って乾燥を防ぎましょう。

「閉経前は、何もしなくても膣や外陰は湿っていますが、閉経後は乾燥して萎縮が進んでしまうため、ちゃんとしたケアが必要です」と関口さん。ご自身は入浴後、まず膣の入り口付近と尿道周囲にオイルを塗り、次に外陰と肛門付近に顔に使用しているのと同じ美容液を塗っているそうです。

「セルフケアを行っても症状が進行してしまう場合は、医療機関を受診してください」

尿漏れパッドはあまり使わない方がいい

多くの女性が使っている尿漏れパッド。関口さんは「睡眠時と日中の外出時に使って、あとは外した方がいい」と言います。漏らさないようにという意識が大切だからです。「不安な人は、骨盤底筋サポートショーツを活用するといいでしょう」(関口さん)

骨盤底筋を引き締めて、持ち上げるサポート機能のあるショーツ
 

次回は、自宅でできる骨盤底トレーニングをお伝えします。

取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部) イラストレーション=金子なぎさ
※この記事は、雑誌「ハルメク」2020年3月号の記事を再編集しています。