パチンコファン感謝デーで“ハワイ旅行が当選”しても喜べなかった理由――仰天ニュース傑作選

過去5万本の記事より大反響だった話をピックアップ!(初公開2023年11月17日 記事は取材時の状況) *  *  *

 パチンコ・パチスロファンなら誰しも一度は参加したことがあると思われる「ファン感謝デー」のくじ引き。全国規模のモノから地区ごとで行われるモノなど、様々な形で開催されている。1等の賞品には海外旅行が用意されているコースもあり、毎回楽しみにしているファンも少なくないだろう。

 ただ、当たったことのないファンからすると、「本当に当たりは入っているの?」と疑ってしまうかもしれない。

「まさかハワイ旅行が当たるとは思ってもいませんでした。というか、そもそも1等って本当に入っていたんですね(笑)」と語るのは、5年ほど前に関東地区で開催されていた感謝デーで見事1等を引き当てた池田勝広さん(48)。今回はそんな強運の持ち主に、当時の様子を振り返ってもらった。

◆開始早々に飛び出した1等賞

 多数のファンにチャンスが巡って来るよう、2〜3日にわたって開催されることが多い「パチンコ・パチスロファン感謝デー」。豪華な賞品が初日に出尽くしてしまうのを防ぐために「1等は最終日にしか出ない」なんて噂もあるが、池田さんが引き当てたのも最終日だったのだろうか?

「そのときのファン感は、土日の2日間開催だったのですが、自分が1等を出したのは初日の2回目の抽選(15時)でした。抽選箱を持った女性店員が来て、自分が引いたクジをめくってくれたのですが、その子がとんでもなくビックリしていたんですよ(笑)。まさか初日に出るとは思っていなかったんでしょうね」

◆5万円負けていたときに舞い降りた「ハワイ旅行」

 池田さんの神懸かり的なヒキによって、初日でも1等が出ることは証明された。ところで、パチンコを打っている最中に突然「ハワイ旅行」という幸運が舞い降りて来ると、人はどんな気持ちになるのだろうか。

「正直、1等なんて入っていないと思っていたので、喜びよりも入っていた驚きの方が強かったですね。でも、その抽選を受けた時点で、すでにパチンコの方は5万円くらい負けていたんです……。『1等よりも5万円返してくれないかな?』って気持ちになりました(笑)」

◆ハワイ旅行は「いざ当たると意外と困る」

 池田さんが引き当てた1等はハワイ旅行以外にも、グアム旅行、国内温泉旅行、家電などがあり、その中から1つを選べるというシステムだった。当然のことながら目玉賞品のハワイ旅行を選ぶのかと思いきや、その条件はかなりシビアであったという。

「旅行がペアチケットなら友達を誘って行こうと思ったのですが1名様だったんですよ。1人でハワイに行っても何一つ楽しくないし、パスポートを作るにもお金がかかる。しかも、出るのは飛行機代と朝食付きのホテル代だけなので、行ったら行ったで出費がかさむし……。しかも、行ける日が限られていたんですよね。指定された半年くらいの期間内で、月ごとに行ける日が決まっているんですが、基本平日しか選べませんでした」

◆追加料金を払えばプラン変更も可

 1人旅好きで、日頃から海外旅行にも頻繁に行く人ならいざ知らず、いきなり「ハワイ旅行」と言われても戸惑ってしまう人もいるだろう。まさに池田さんもその1人であった。

「一応、お金を払えば同伴者を追加することは可能だと書いてありました。そうなると2人で行って半額、家族で行って1人分が浮くと考えれば決して悪くはないんですが……。自分の場合は独身だし、そこまでして一緒に行く人もいなかったので、まぁ行かないですよね。一瞬、ウケ狙いで1人でハワイにいって、自撮りしまくって友達に見せようかなと思いましたが、ウケ狙いだけでハワイまで行くのはちょっと遠すぎるし、ハードルが高いのでヤメておきました(笑)」

◆5万負けでの当選は「買ったようなもの」

 好きな日に行けないとなると、意外と使いづらいのも事実。そこで、池田さんはハワイ旅行ではなく家電を選んだそうだ。

「結局は国内旅行も選ばず、ブルーレイレコーダーを貰いました。ちょうど家で使っていたのが壊れていたんでね。おそらく6万〜8万円相当の商品だったと思うのですが、パチンコで5万円負けていたので、結果的には買ったようなものですよ(笑)」

◆海外旅行よりも欲しいのは「パチンコの大当り」

 池田さん曰く、抽選で1等が当たった嬉しさよりも、パチンコで負けている悔しさの方が強かったため、素直に喜べなかったとのこと。「パチンコをやる人はみんなこんな気持ちになるんじゃないですかね? もちろん海外旅行が当たるのも嬉しいけど、その前にこの台当たれよって(笑)」と語っていたのがとても印象的であった。

文/サ行桜井

【サ行桜井】

パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。