新NISAの「成長投資枠」の年間上限額は240万円です。この上限額目いっぱいに買い付けたほうがいいのか。それとも毎年100万円など分割して最終的に1,200万円という生涯非課税枠を満たしたほうが良いのか。多くの投資家が悩むポイントです。本記事では、DAIBOUCHOU氏による著書『バリュー投資の億り人が教える 新NISA「成長投資枠」で1億円: 10日で学ぶ10年10倍株の探し方』(東洋経済新報社)より一部抜粋・編集して、成長投資枠の賢い使い方をご紹介します。

新NISA「成長投資枠」240万円の枠をどう使う?

新NISAの成長投資枠の買い方について考えてみたいと思います。成長投資枠の年間の上限額は240万円です。この上限額目いっぱいに買い付けたほうが良いのか、それとも毎年100万円ずつ分割して投資して、最終的に1,200万円という生涯非課税枠を満たしたほうが良いのか、という問題です。

年間の上限額である240万円目いっぱいに投資すれば、1,200万円の生涯非課税枠は5年で埋めることができます。一方、毎年100万円ずつ投資すると、1,200万円の生涯非課税枠を満たすには12年かかります。

さて、あなたはどちらを選びますか。

年間240万円と簡単に言いましたが、実際にこれだけの金額を毎年、投資し続けるのはけっこう大変だと思います。年間240万円ということは、毎月平均20万円ずつ投資することになります。毎月の給料の中から20万円を投資するって、月収手取りで100万円くらいないと難しいでしょう。

ということで、年間240万円を成長投資枠で投資できるのは、退職金や親からの遺産相続などで預貯金が2,000万円くらいあるとか、課税口座に2,000万円分の株式を保有しているといった人が多いのではないかと推察します。

この低金利では資産が増えないし、インフレに負けてしまうので株式投資に回したいという人が、2,000万円ある預貯金から、毎年240万円ずつ買い付け、5年間で1,200万円の枠を満たすのは、それほど難しいことではありません。

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60代ならできるだけ上限まで、30代は少額でもコツコツと

私がおすすめする株式投資のスタイルは、1年で億り人になろうというようなリスクの高いものではありません。割安成長株を長期で運用して億り人になろうというものです。

年間の投資資金が多い、少ないは関係ありません。もちろん、早く1,200万円の枠を埋めることができれば、その時間は短くなります。でも、年間に使える投資資金が少ない人でも、時間をかければ同じゴールを目指すことができます。

60代の人が成長投資枠で資産を運用するのであれば、毎年50万円ずつ、100万円ずつなどと悠長なことを言っている時間はありません。もし65歳から10年をかけて生涯非課税枠を埋めたにしても、埋めきった時には75歳で後期高齢者の仲間入りです。

もちろん、その先も生活していくうえでお金は必要ですが、同時に自分が亡くなる確率も、年齢の高まりと共に上昇していきます。

そのため、60代から成長投資枠を使うのであれば、できるだけ毎年、上限額いっぱいまで投資して、できれば5年間で1,200万円まで投資し切ってしまいましょう。5年間で成長投資枠の生涯非課税枠を満たしてしまえば、それだけ大きな額を長期間、非課税で運用できるため、高い税制メリットを享受できます。

一方、30代でまだまだ人生の時間に余裕のある人は、毎年100万円、あるいは50万円ずつ、少額資金で投資し続けてもいいでしょう。毎年50万円ずつだと、1,200万円を満たすのに24年かかりますが、30歳からスタートさせるとしたら、24年後は54歳です。

投資にムリは禁物です。人生の持ち時間に余裕がある人は、年間の上限額目いっぱいまで投資する必要はありません。

専業投資家インフルエンサー

DAIBOUCHOU

※本記事は『バリュー投資の億り人が教える 新NISA「成長投資枠」で1億円: 10日で学ぶ10年10倍株の探し方』(東洋経済新報社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。記載内容は当時のものであり、また、投資の結果等に編集部は一切の責任を負いません。