植栽シルエットでステキな夜景に


夕暮れ時のファサード。いよいよ日が暮れてきました。


エントランスの明かりが拡張高い佇まいを演出。

この住宅のファサードは、ライトアップされた夜景も見所です。

周辺が薄暗くなってくると、奥まったエントランスドア周辺が、明るく存在感を増してきます。壁の横に植栽されたアオハダは、チラチラとほの明るくライトアップされ美しい影を壁に描き出します。壁面から少し浮かせて立体感を持たせた、筆記体の横文字がオシャレな門袖の表札も、スリット状のライトに照らされてよりシックな雰囲気になります。


ライトに浮かび上がる表札の筆記体もオシャレ。


白い壁に映るアオハダのシャドウシルエットが幻想的です。

そして、周囲が真っ暗になると、アッパーライトで照らされた、住宅壁面に映る放射状のアオハダのシャドウシルエットが幻想的なシーンが生まれました。エントランス手前のゴロタ石と植栽は、低めのポールライトで控えめに照らし、エントランスからこぼれる光の効果で、料亭のような落ち着いたアプローチが演出されています。


料亭のような灯りがシックなアプローチ。

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まとめ

ホワイトベースのモノトーン構成のデザインは、使う素材次第で、エクステリアのイメージが全く変わってきます。今回ご紹介した住宅のように、打ちっ放しコンクリートの床は、スリット部分に砕石を入れた目地や、ボーダータイルと砕石の組み合わせでオシャレに演出できます。植栽の足元をカバーするゴロタ石は、並べ方次第で、ナチュラルな花壇や景石にもなります。

植栽は日本の在来種であるアオハダやツリバナを配植して和モダンイメージを強調。在来種とは、昔から日本の自然の中で生きてきたもので、その地域に本来自生している植物です。日本の土地柄や気候に合った植物を植えることで、管理に手がかからないだけでなく生態系も成り立ち、いっそう自然風に近づいていきます。

モノトーン構成のシンプルデザインは、ゴロタ石や砕石、在来種の植栽で、和風や和モダンなイメージになります。ほんのりと柔らかい光や庭木のシャドウシルエットを効果的に取り入れれば、高級感のある印象的な夜景を演出できます。

皆さんも、いろいろな素材を工夫して、素敵なファサードを創造してみてくださいね。

設計施工:ヘブンズガーデン 宮元健太

Credit

写真&文 / 松下高弘
– エムデザインファクトリー主宰 –


まつした・たかひろ/長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、大手ハウスメーカーやエクステリア業のセミナー企画、講師を行う。

2007年出版の『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』の改訂版として、新刊『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』が大好評販売中! 色の知識、住宅デザイン様式に合わせたエクステリア&ガーデンデザインとカラーコーディネート、プレゼンシートのレイアウト案など、多岐に渡る充実の内容! 書籍詳細はグリーン情報ホームページから

著書

『住宅エクステリアのパース・スケッチ・イラストが上達する本』彰国社

『気持ちをつかむ住宅インテリアパース・スケッチ力でプレゼンに差をつける』彰国社

『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』グリーン情報 など他多数