「お母さんのせいでやる気がなくなった」「弟のせいで遅刻した」など、何かと人のせいにする子どもがいます。人のせいにするクセがついたら、言い訳ばかりする大人になってしまったら、と親としては悩んだり不安を感じたりすることでしょう。本記事では、ぞう先生の著書『うちの子、脱・三日坊主宣言!』(総合法令出版)より一部を抜粋・再編集し、人のせいにする子どもへ注意する際のコツを解説します。
人のせいにする子ども
「お母さんのせいや!」
「弟のせいや!」
何でも人のせいにしてしまう子がいます。こう言われたらとても腹が立ちますよね。僕もたまに「先生のせいや」と言われることがあります。でも、どう考えても、自分は悪くない場合もあります。
どうして人のせいにしてしまうのでしょうか? 実は、腹立たしい気持ちを誰かにぶつけたいだけということがあります。うまくいかない歯がゆい気持ちをぶつけてきているわけです。
しかし、このように人のせいにばかりしているとクセがつきます。「自分ができないのは、誰々のせい。だから自分は悪くない」。そして、それが言い訳となり継続することをやめてしまう要因になりかねません。
このケースは、どうしてそう思うのかをまず聞きます。
「お母さんがこうしろと言ったから」
「お母さんがこう言ったからだ」
こう言われると、「なんだと、もう1回言ってみろ!」とけんかをしたくなりますが、
と言えばそれで終わりです。だまされたと思って言ってみてください。子どもは、自分が満たされない気持ちを表現しているにすぎないので、本心では「お母さんのせいだ」と思っていないことがほとんどです。
人のせいにしてしまう子は、自分のイライラを人のせいにすることでなくそうとしています。そこで、先のように「もう1回言ってみろ」と言ったところで火に油を注ぐようなものです。言い合いが加熱するだけで解決には至りません。そんなときは、もう何も言わないのがベストです。
これで終わりです。こちらの意見は言いません。すでに子どもは感情的になっていて、冷静な判断ができる状態ではないので、正論を言っても無駄です。正論は落ち着くまで絶対に言わず、落ち着いた頃合いを見て、話をします。
また、親が子どもに注意するときのコツがあります。それは、意見を言った後、「ママ(パパ)はこう思う」と最後に言うことです。先のケースを例に考えると、「人のせいにするな!」これでは命令口調となるので、子どもは反発したくなります。
このように言うと、命令されている気になりません。あくまでママの意見を聞いただけとなり、判断は子どもに任せる形になります。子どもの気持ちが落ち着いてから、自分の意見を言うというスタンスで注意しましょう。
【まとめ】
・人のせいにするのは、自分が満たされていない気持ちの表れ
・子どもに注意するときは、命令ではなく、意見を言うスタンス
ぞう先生
小学校教師