同席には企業側、エージェント側双方にメリットがある
人材コンサルタントにも感性が必要とされるところなのですが、人にはそれぞれクセがあります。面接の際に「この事業責任者はこういう部分を強調して質問するのだな」ということがわかってきます。逆にコンサルタントがそれを覚えてしまい、連れてくる候補者に想定問答で事前対策のようなことをさせるのを嫌がる企業もあります。
サーチファームはそういった事前対策を重視しているのではなく「特に大事にしていること」に関心を持つようにしなくてはなりません。人によっては会って3分で人物を判断する場合もあります。候補者が入室してきたときの明るさ、元気、清潔感、身なりなどを重視する人はいつも選択の軸が変わらないので、そういう人材を厳選してサーチしないと意味がありません。
その一方で圧迫面接のようなスタイルをとる人もいますので、きちんとその企業を研究して志望動機を明確に持っている人材でないとマッチしません。面接対策をする以前に注目すべき「大事にしていること」や「面接会場の空気感のようなもの」がどの企業にもカルチャーとして存在します。
慣れてくると会社の受付で空気を1~2分吸うだけで人材の合う・合わないが感覚的につかめるようになります。そういうフィルターをかけることが、かなりの時間的ロスを減らすこともできます。こういったことからも、エージェント側のコンサルタントが面談に同席することは企業と人材のマッチングの精度を高めることに繋がり、エージェントにも企業側にもメリットが大きいといえるのです。
福留 拓人
東京エグゼクティブ・サーチ株式会社
代表取締役社長