2024年に注目された観葉植物の品種

売り上げに関係なく注目を集めた観葉植物としては、原種系アンスリウムやアロカシアが挙げられます。
ベスト5入りこそしなかったものの、その希少性から問い合わせが非常に多く、特にアンスリウム・ワロクアナムのような“原種系”が人気でした。
原種系というのは改良種(園芸品種)と異なり、人の手がほとんど加えられておらず自然のままの姿をしている品種を指します。

アンスリウムは多くの改良種がある中で、オリジナルのフォルムや色合いを持つ原種が「自然の美」を愛するコレクターに特に注目されました。


アンスリウム・ワロクアナム 価格:22,800円(税込) 高さ(鉢底からトップまで):20cm 葉の長さ:30cm 鉢幅:14cm

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オザキフラワーパーク2024年の観葉植物販売のトレンド分析

店舗での売れ行きとネット販売の比較

オザキフラワーパークのような実店舗では、実物を見て購入でき、育て方のアドバイスを直に受けられる点が魅力です。
昨今は「ネットで見たんですが…」という問い合わせが多く、弊社ECショップで目星をつけてから実店舗に足を運び、生の感触を確かめるというお客様も多いようでした。

一方、ECショップは複数の品種をセレクトしたセット売り観葉植物の人気が高まっている印象です。
贈り物や部屋のコーディネートを考えて、手軽に選べる点が好評を博しているのではないかと思います。


オザキフラワーパークのより。

エコ意識の高まりと「持続可能な観葉植物栽培」の需要

観葉植物は、お客様のエコ意識の高まりによってトレンドが大きく変わるわけではありませんが、持続可能な素材を利用した「Pure Lite」や「セラミス」などの代替土の人気がじわじわと増しています。
これはエコ意識だけでなく、経済的理由や、各自治体の園芸用土に対するゴミ分別の方向性も関係しています。

現時点では、エコを意識して観葉植物の品種を選ぶことは一般的ではありません。
例えば、「水やりが少なくて済むから」と節水効果を考えてサンセベリアを購入する方はほとんどいません。

しかし、気候変動や物価高により今後の意識変化の可能性も考えられ、観葉植物を愛する人々のエコ意識がどのように変化していくのか今後も注目していきたいと思います。


土を使わないため清潔に植物を育てることができる『PureLite』980円(税込)。植えられている植物は「ドラセナ・ワーネッキー」1,980円(税込)。


使い方は簡単で、水を半分くらいまで入れて、カラカラになる前に再び給水する。
ドラセナがしっかり根付いていることが分かる。

ミニマルなインテリアに合う小型観葉植物の流行

今年は夏を中心に、本来は大型の植物として人気のあるモンステラやフィカスの小型の株がすごく売れた印象です。
実際、小さなモンステラも、葉がちゃんとモンステラしていて可愛いんですよ(笑)。

小型の観葉植物はスペースを取らず、シンプルなミニマルインテリアに映えることから、安定した人気があります。
特にアロカシア、サンセベリア、カラテアなどは定番中の定番で、ミニマルインテリアのアクセントとして購入されたお客様も多いです。

そういえばちょうど取材時に、2つのレアな観葉植物が入荷しました。
ピレアという小型観葉植物なのですが、今回入荷した2品種はピレアの中でも入荷が非常に稀で、私も今回初めて見ました。


(左)ピレア・グラウカグレイシー、498円(税込) (右)ピレア・アンブリアナ、1,980円(税込)。

ミニマルなインテリアはシンプルな分、置く観葉植物で表情がガラっと変わるため、このピレアのように、定番を外したちょっとエキセントリックな樹形のものも、今後は積極的に提案していきたいと考えています。

SNSでのバイラル効果と育てやすい植物の人気

バイラル効果とは、口コミやSNSの投稿などにより情報が拡散されることを指しますが、昨今はインスタグラムのストーリーズやリール動画でのシェアや人気投稿が、観葉植物の売れ筋に影響を与えています。

その効果か、アロカシアなど特定の品種のインスタ投稿画面を売り場スタッフに見せて「これなんですが、置いてあります?」と、在庫を確認されるお客様が増えています。

実際にインスタグラムをのぞいてみると、ビジュアル重視のトレンドに加え、育てやすい品種が特に支持されているようです。