「いつ休み?」「日曜日は何してる?」キャバ嬢を“店外デート”に誘うとコスパが悪くなる理由

 大人の社交場・銀座のクラブにホステスとして勤めているみずえちゃんと申します。X(旧Twitter)で、犯罪者の間では猫=レクサスとか高級車の隠語である、という投稿が話題になりました。これに反応したレクサスオーナーさんたちによるレクサス、つまり愛猫ちゃんたちのお写真の投稿が活発に行われており、タイムラインがモフモフでとても幸せです。もっとください。

 その傍ら、ライターとしても活動しており、これまでに私がお酌をさせていただいたおじさま方との実体験をもとに、夜遊びやモテに関する情報を発信させていただいております。

◆出勤日ではなく「いつ休み?」ばかりが気になるあなたへ

 

 キャバクラに通う男性なら誰しも1度は憧れる店外デート。店外デートとは、読んで字のごとく、お店の外でお客様とキャバ嬢がデートをすることを指します。

 お店の外で会うという点では同伴やアフターと同じですが、出勤日以外のプライベートな時間を割いてデートに応じるのが店外デートであるため、キャバ嬢にとっての直接的なメリットは基本的には皆無です。

 ではなぜキャバ嬢は店外デートに応じるのかというと、①まずは借りを作って、来週あたりに同伴してもらおうとか、もしくは②先週けっこうお金を使わせてしまったのでここら辺で機嫌取りでもしておこうとか、ついでに③ヴィトンの新作が欲しいとか、そんな魂胆があるからで、要するに彼女たちはお仕事をしているのです。デートをしているつもりでいるのはあなたたちおじさんだけです。

 それでもどうしても店外デートがしたい方のために、今回は「キャバ嬢を店外デートに誘うとコスパが悪い理由」を解説します。いい加減に目を覚ましましょう。

◆あなたがお店でなんて呼ばれているか知っていますか?

 

 キャバ嬢を店外デートに誘うとコスパが悪い理由は、「お気に入り嬢にものすごく嫌われるから」これにつきます。皆さんがオダギリジョーか高橋一生である場合をのぞいて、ほぼ100%嫌われています。

 言わずもがなですが、キャバ嬢は皆さんからお金を頂いて、その対価として愛想笑いや「さすがです!」「知らなかった!」「すっごーい!こんなの初めて!」などのサービスを提供しています。

 それを店外デートで無償で提供させるということは、例えば美容師さんに「今日休み?じゃあ髪切ってよ。もちろんタダで」と言っているのと同じで、もっとわかりやすく言えば無銭飲食と変わりがありません。

 店外デートを要求するお客様が影でなんて呼ばれているか知っていますか?「店外コジキ」ですよ。そのくらい嫌われています。

 別に嫌われても良いんだ!どうしてもお店の外で女の子とデートがしたいんだ!とおっしゃるならそれを止めはしませんが、わざわざデート代を支払って好きな女の子に嫌われるのってすごく損な気がします。

 店外デートにはキャバ嬢から誘われてはじめて応じるくらいが正解で、誘われていないし今後も誘われそうにない細客の皆さんは、どうぞ相席居酒屋にでも行ってください。

◆「最近のキャバ嬢は付き合いが悪い」とボヤいているそこのあなた


「最近のキャバ嬢は付き合いが悪い」とボヤいているそこのあなたに言いたいことがあります。それって、最近のキャバ嬢は付き合いが悪いのではなく、あなたが歳を取っただけなのではありませんか?いつまでも20代の男の子みたいなつもりでいてはいけませんよ。

 オダギリジョー、高橋一生などの例外をのぞき、ほとんどの40代はただのおじさんです。50代なんて20代の女からしたらおじいさんです。まずご自身の加齢と正しく向き合いましょう。

 食事をして、バーに行って、ほどほどに酔って解散とか、映画館で『鬼滅の刃』を観るとか、そんな20代みたいな感覚でデートに挑んではいけません。だって大人なのですから。

 せめて別れ際には「タクシー代」として、お手当を多めに渡すとか、そういったおじさんらしい気配りがないと、ダメダメのダメです。お金のかかる女はイヤだ!とおっしゃるなら、繰り返しになりますが、どうぞ相席居酒屋にでも行ってください。

 キャバ嬢は皆さんのガールフレンドでもお友だちでもありません。スッピンのパジャマ姿で来てくれてかまわないし、俺の話がつまんないときはスマホいじっていいよ、というおつもりならまだよしとしますが、「ピチピチめのワンピースで来て欲しいし、ちょっと酔ったフリもしてくれると嬉しい」というおつもりでいるなら、そこにはギャラが発生して然るべきです。お気を確かに。

◆デートを断る側にもコストは発生している

 ウルフルズの「いいたい事はそれだけ」という曲の歌詞の中に「ふる方が ふられるより つらいって よく言うけど おれなんか ふられてばかりで これも つらいぜ」というフレーズがあり、なるほどと思う一方で少々ブチ切れたくもなっています。

 ふる方にもコストが発生していることを、多くの男性は知らな過ぎます。この場合のコストというのは、心的なハードルやストレスのことを指します。

 当たって砕けろ的なやけっぱちな感覚で相手に好意を伝えていませんか?それはご自身の都合しか考えていないとても身勝手な行いです。当てられた本人は、「ふり方次第では明日から気まずくなるな……」と気に病んでいるはずです。ましてや相手は腕力だけは倍以上のモンスターです。リスクでしかありません。

 皆さんが取引先の決算権のあるおじさんだったり、彼女の雇用主である場合はもっと悪いです。彼女は「仕事を減らされるかも」「最悪仕事を失うかも」とヒヤヒヤするはめになるのですから。

 デートのお誘いに関しても同じことが言えます。「別に断ってくれていいから」と気軽に構えているのはあなたたちおじさんだけです。断る側にはコストが発生しています。3回誘ってダメなら金輪際誘わないことです。

 ブチ切れついでに言わせていただくと「日曜日は何してる?」「今暇?」など、用件を明かさずに、こちらの都合だけ聞き出そうとする男もクソです。行き先が赤坂のお寿司屋さんか、イオンのフードコートかでこちらの返答が変わるのは当然です。

◆日曜日くらい友だちと遊びなよ

 

 今回は「キャバ嬢を店外デートに誘うとコスパが悪い理由」を解説しました。キャバ嬢に嫌われたくない方は、おとなしくお店でお金を使いましょう。お店に通ううちに、彼女があなたの健気さに気がついて、ある日コロッと惚れてくれることがあるかもしれません。良いお客様でいることが、結局は1番コスパが良いのです。

 人の顔色をうかがったり、利害の折り合いをつけることに疲れたおじさんが、否応なしにあなたを受け入れ、肯定し、愛想笑いをしてくれるキャバ嬢に癒やしをおぼえるのはごく自然なことですが、「人の顔色をうかがう」「利害の折り合いをつける」程度のことをさぼって、日曜日までキャバ嬢に遊んでもらっていると、本当に友だちがいなくなっちゃいますよ。

<文/みずえちゃん>

【みずえちゃん】

1989年生まれ。新潟県長岡市出身。関西外国語大学卒業後、大阪市内の広告代理店に勤務する傍ら、キャバ嬢デビュー。結婚、離婚、地方の激安キャバクラを経て、現在は銀座ホステスとライターを兼業。X(旧Twitter):@mizuechan1989