「後輩女優や、これから業界入りする女性に“新しいセクシー女優像を見せたいです」2011年のデビューから13年、NHKドラマ出演やバラエティ番組のレギュラーを多数抱えるなどトップクラスの露出度を誇るセクシー女優の小島みなみ。彼女が今年11月、犬の胴体につけて散歩などをする装具“ハーネス”のブランドを立ち上げて話題を集めている。トップ女優は包み隠さず、仕事観、結婚観、そして“令和のセクシー女優像”について語った――。
◆セクシー女優の仕事は私にとって天職
――これまでのビデオの出演本数も200本超え。NHKドラマ、バラエティ番組出演など、セクシー女優のなかでも活動の”幅”の広さがある印象です。かなり忙しいのでは?
小島みなみ(以下、小島):コロナ禍を機に、以前に比べて活動ペースはゆっくりになりましたね。数年前はパブリシティ(出演するメディア)を全開にしたときに、テレビの仕事も一気に増えて、確かに休む暇はなかったです。テレビ、∨シネマ、アイドルとしてのライブ、全国各地のショップ巡り……。20代前半で若かったとはいえ、ずっと大きなキャリーを持ち、ビジネスホテルを移動する日々。マネジャーさんに「プライベートがなさすぎる!」と泣きついたこともありました(笑)。
――過去、最も大変だった仕事は?
小島:やっぱりデビュー当初が一番辛かったです。右も左もわからず、いきなりカメラ前で“女優”を求められる。本来は見せるものじゃないけど、でも”魅せなきゃ”いけない。だから新人の頃は毎回全力を超える力を注いていました。撮影後、本当にぐったりして動けないレベル。今だから本音をいえば、数本出たあとに辞めようと思ってました。ただ、それからもう13年経っていますね(苦笑)。
――これまで辞める選択肢はなかった?
小島:レンタル系の「アリスJAPAN」さんから、セル系の「エスワン」さんに移籍するとき、悩みましたね。女優歴3年を終えたころで、目標だった海外仕事もできたからです。
――続けた理由はお金面も大きかった?
小島:はい(笑)。貯金をしていて、目標金額は1年目を終えた時点で達成していたかな? 正直、忙しい生活でお金を使う暇がなかなかなかったので、勝手に溜まっていった感覚ですね。モチベーションが低下しそうな時期に移籍の話を頂き、やっぱり挑戦したくなりました。まだまだ成長はできるな、と。やっぱり、当時もっと有名になりたかったんです。あと、周囲は優しい人ばかりで……、居心地良すぎるんですよ。私自身にとってセクシー女優は天職です。私の友達の女優も、「辞める理由がない」ってよく話します。
◆さみしくないのは、新しいことに挑戦しているから
――そして、今年9月、10年所属したメーカー「エスワン」から卒業が発表されました。過去インタビューでは、”エスワン卒業で引退する”という発言もありました。
小島:はい、していましたね。業界トップのアイドル系メーカーといわれる「エスワン」さんにいることは、私自身のひとつのプライドでした。でも、キャンペーン撮影などで新人女優さんと横並びに立ち、同じ衣装を着て……これは大丈夫なのか?と、エスワン10年という歳月を重ねた私は不安になることもありました。スタッフさんは「似合ってるよ!」と言ってくれるのでAV業界は優しくて、やっぱり好きだなぁっと思いますね。
――活動が長いといえば、現役中に「結婚」を報告する女優も増えました。小島さんは結婚を意識したことは?
小島:正直、「結婚したい」と思うときもありましたけど、今は全然わからない(苦笑)。自分が現役中の結婚は考えられないし、恋愛したい気持ちも年々薄れて行く感じです。さみしくなって、いつか女性用風俗に行くときがくるかもしれませんね(笑)。さみしくないのは、新しいことに挑戦しているからかもしれないです。
◆どんな時でもそばにいてくれるのが、わんちゃん
――さみしくない理由は、愛犬しゅくる君でしょうか。出会いをおしえてください。
小島:元から実家で猫、うさぎ、ハムスターを飼っていたり、動物が大好きなんです。そして女優活動中の数年前に、一度友達のわんちゃんを預かったんですよ。かわいい白いチワワ。ある日、私が悲しいことがあって、ソファに座り泣いていたら……そのチワワが寄り添って一緒に悲しんでくれた。わんちゃんスゴい!って心打たれました(笑)。わんちゃんを飼いたくなったけど、一人暮らしで飼えるか不安もありました。周りの飼ってる友達から色々聞いたり、事務所の方にもわんこOKの現場のときは連れて行きたいことも伝え、1年かけて適切なブリーダーさんも探しましたね。
――ペットショップではなかった。
小島:自分がもしもわんこだったら、ペットショップで売られたくないと思い、ブリーダーさんを巡ることにしました。チワワも探したけど、マルチーズが好みになってきて、ある日、愛犬の“しゅくる”に出会いました。もう即決。でも、最初は不安半分・嬉しさ半分。小さな命の責任を背負うわけですから、朝起きて亡くなっていたらどうしよう……と毎晩寝息を確認しに行く。仕事の時も家族やマネジャーさんに様子を見に行ってもらってました。
――撮影仕事も、気が気じゃないですね。
小島:8時間以上お留守番をするのはよくないそうなので、長丁場になる場合は、一緒に現場に連れて行くか幼稚園、ホテル、ペットシッターなどを利用しています。仕事や私生活の影響も凄いですよ(苦笑)。しゅくるをお迎えする前は海外旅行も好きでしたし、ディズニーにもよく行ってました。でも、今はしゅくる優先。すぐ帰ります(笑)。
――設立したブランド名「LOULOU-ルル-」とは?
小島:フランス語で「かわいい子供」。愛犬は我が子同然です。あと、わんちゃん用のお洋服は種類がたくさんあるのに、可愛いハーネスは種類が少ないので子供服のように選んでもらいたいとう想いを込めました。また、ブランド設立の理由は愛犬の喉が少し弱かったのも大きいです。首輪をつけて散歩中に咳き込むようになり、胴体に装着するハーネスに変更したんですが、お洋服着せて、ハーネス付けてという作業が面倒だったのと、ハーネス付けると可愛くなくなることもあって……。安全機能でも物足りないもの多かったこともあり、一体型の可愛いハーネスを自分で作ったらいいのでは?という考えに至りました。
◆後進女優に「新たな道」を見せたい
――SNSでは「ブランド設立の書類がたいへん」と投稿されてました。ただデザインしているわけではない。
小島:セクシー女優は個人事業主で、私も会社を持っているので、ハーネスブランドは新たな“事業”ですね。企画書からしっかり作って、「こんにちは、私はセクシー女優の小島みなみと申します!」と工場に自己紹介して交渉も(笑)。結果、大阪のメーカーさんに作っていただけることになりました。原価率・利益率もしっかり計算して、はじめて電卓を買いましたもん(笑)。私財を使った、商売です。
――品質にはこだわりが強い。
小島:愛犬が着ているチェック柄のは、「カフェ」に合いそうなものに。ほかにも冬の散歩に合いそうなもの、など細かい部分の素材もこだわって、安心・安全でデザイン性も高いものに。6型で、カラーバリエーションを変えた全11種類。定価1枚15000円になりそうなのを、どうにか交渉して交渉して1万円以内に……。原価率を下げるために、倉庫は借りず、自宅にこれから大量の商品の段ボールが届きます。ひとつひとつ梱包し、ブランドタグ、バーコード値札も全部自分で作りました。発送も私がします。もう頑張りまくりです!
――11月開催のドッグ関連のイベント「ジャパンわんこフェスタ2024」では、はじめての“出展”もしたそうですね。
小島:はい。たくさんの方に商品を手に取っていただき、とても嬉しくやりがいを感じました。完全国産で製法や素材にもこだわっているので、直接良さをアピールできたと思っています。イベント出店が終わりひと段落と思いきや、今は来年春夏デザインの制作に取り掛かっています。もちろんブランドを軌道に載せたいのはありますが、一番念頭にあるのは“ワンちゃんの幸せ”です。偏見はあるかもしれないけど、そのためにはセクシー女優・小島みなみというのは、武器になるとも思っています。今後は洋服だけではなく、フードなども考えていきたいです。将来的には動物関連のボランティアもしたいですね。
――今後はセクシー女優、ブランドと二足のわらじでいく?
小島:セクシー女優業も長く続けたいです。ブランドも合わせて、私もブランドもWIN-WINになっていけたらいいな~っと。事務所側もブランド設立のために助言をくれたり、企画書製作や行政書士、弁護士さんを紹介もしてくれて、応援してくれるのはすごく嬉しい。良い事務所だな、って思います(笑)。セクシー女優を頑張れば、良いことがあるよ!というひとつの成功例を見せてあげたい。だから、ブランドも成功しなくてはいけないな、って思っています。頑張ります!
(取材・文/日刊SPA!取材班、撮影/神楽坂文人)