入試の日が刻々と近づき、「解けない問題」に焦っている人も多いのではないでしょうか。しかし、偏差値35から東大合格を果たし、書籍『東大生が教科別にわかりやすく教える 受験勉強法大全』(幻冬舎)を監修した現役東大生の西岡壱誠氏は、「試験直前こそ勉強よりも戦略を練るべき」といいます。その理由と具体的な戦略について、本記事で詳しくみていきましょう。
戦略なくして合格なし…試験の“立ち回り”が勝敗を分ける
試験前にやるべきことってなんだと思いますか? 多くの場合、試験前は勉強しかしません。範囲の勉強をして問題を解いて、どうにかこうにか1点でも点数を高くしようと努力することだと思います。
でも、実は勉強以外にも試験直前にやるべきことがあります。それは、「試験でどう立ち回るか」という戦略を立てることです。
試験が近づいてくると、試験範囲の勉強の方が重要だと思ってしまいがちですが、それは少し焦りすぎでしょう。「急いては事を仕損じる」とはよく言ったもので、試験直前でも余裕を持って戦略を立てられた人こそが合格できるのです。
東大を含む難関大学もきちんと戦略を立てられた人が合格しますし、これは受験だけに限った話ではありません。野球やサッカーなどのスポーツでも、ただ速い球を投げたり、キック力が強かったりするだけでは相手に勝てません。相手チームの弱点を調べたり、プレーの傾向を研究したりして、戦略を立てることが相手に勝つ可能性を作り出すのです。
そんな「合格戦略」の立て方について紹介します。
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100点を取るのではなく「合格」が目標
そもそも、試験における「戦略」とは何なのか。それは、「どうやって合格点を取るか」ということにほかなりません。
例えば100点満点の試験で70点を取れば合格できる場合、どこでどのように70点を取るのかを考えるのが戦略です。「英作文の問題で30点取ろう」とか「長文問題は苦手だから半分くらい点数が取れたらいいな」というように点数を計算して、どの問題で何点取れば合格点に達するのかを考えておくわけです。
これが非常に有効で、どの問題で得点すれば合格になるかをきちんと把握しておけば、自分がどこで得点しなければならないのか、また逆にどこで点を落としてもいいのかが理解できるようになります。試験において、この認識ほど心強いものはありません。