日々健康に過ごすには欠かせない食事。ただ食べるだけでなく、食感や味も楽しみながら食事したいものですが虫歯になっては楽しめません。私は過去に虫歯になりやすいと歯科医に言われたことがあり、日々の口腔ケアには時間をかけて虫歯ゼロで過ごしていました。それでも起こった、歯のグラつき。そのワケは……。

歯の喪失の原因は虫歯だけではない

私が子どものころ、「歯科医院は虫歯になったら行くところ」という認識でした。その認識が変わったきっかけは、大人になって矯正歯科に通うようになったことです。矯正歯科に通うと同時に、口内トラブルの予防のために歯科医院に通うように。私の歯は歯科医いわく溝が深く、磨き残しによって虫歯になりやすいそう。いったん通うようになってからは、コロナ禍を除いて3カ月ごとに歯科医院へ通って歯の定期検診を受けるようにしています。

私の歯がグラついていることがわかったのも、歯の定期検診でのことです。歯に触れて確認するとわかる程度のグラつきで、他の歯への影響を懸念してすぐに抜歯しなければならないような重度のグラつきではなかったのですが、私には青天の霹靂(へきれき)で驚いてしまいました。それというのも、痛みやしみるなどの自覚症状はなく、普段と変わらない生活を送っていたからです。実際、定期検診の間に虫歯にはなっておらず、歯がグラついていることがわかったときも虫歯はありませんでした。

歯科医は、虫歯ではないのに歯がグラついた原因を歯周病(ししゅうびょう:細菌の感染によって歯茎や歯を支える骨などが溶けてしまう病気)だと言っていました。虫歯だけではなく、歯周病や事故などの外傷によっても歯を失うことがあると教えてくれました。

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40歳以上の8割が歯周病!?

歯科医によると、40歳以上の8割の人が歯周病にかかっているとのことでした。症状が悪化した場合は抜歯に至る可能性が高くなるそうです。歯の喪失は食事への影響が大きく、ひいては健康状態や生活そのものが悪くなってしまうことにもつながるため、定期的に歯の周りで炎症が進んでいないか歯科医のチェックを受けることが大切とのことでした。まさに私の歯周病の進行を早期に見つけることができたのも定期的なチェックがあったからです。

私はいつも定期検診では虫歯のチェックのほかに、歯と歯茎との間にある溝の深さを測ってもらっています。歯や歯茎の奥に付いた歯垢(しこう)には菌が潜んでおり、それによって炎症が進むと溝の深さが深くなり歯周ポケットとなるそうですが、その歯周ポケットが前回測ったときよりも深くなって歯がグラついたとのこと。

過去に虫歯になったとき、飲み物がしみたり歯がズキズキと痛んだりした記憶がありますが、そのようなことはまったくありませんでした。子どものころのように自覚症状があってから歯科医院を受診していたら、抜歯が必要なほど重い症状が出るまで気が付かなかったかもしれないと思い、ぞっとしました。