リフォーム業者などを装って住宅の下見をし、間取りや暮らしぶりを確認したうえで改めて強盗に入るという事件が増加しています。
報道を聞いて、「先週来た屋根の点検って、もしかして…」「これから家のリフォームをしようとしているけど、変な業者に当たってしまわないか心配…」そんな不安を抱える人も多いでしょう。
この記事では、リフォーム業者を装った強盗の下見について、手口と被害に遭わないための対策を解説します。
リフォーム業者の訪問販売が前兆?急増する強盗事件
訪問販売型の悪質リフォーム業者によるトラブルは以前からありましたが、最近では、リフォーム業者などを装って生活情報を探り、強盗を企てる事件も急増しています。いわゆる「闇バイト」の実行犯が匿名かつ流動的なチームを組んで犯行に及ぶ場合(トクリュウ)もあり、犯行の全体像が分かりづらくなっているのが特徴です。
被害の多くは一軒家で発生しており、犯人グループは事前の下見情報を基に侵入しています。例えば、横浜市の事件では、1ヶ月ほど前~数日前の間に「水道を調べたい」という不審な業者が付近の住宅を訪れていたことが報告されています。
参考:横浜 青葉区の男性死亡事件 現場周辺で不審な人物 関連捜査(NHKニュース・2024年10月17日報道)
(広告の後にも続きます)
リフォーム業者を装った強盗の下見の特徴と対策
リフォーム業者を装った強盗の下見では、以下のような特徴が行動をとることがあります。
[1]事前連絡やアポイントなしに訪問する
「近くで屋根の工事をしている者ですが、お宅の外壁の剥がれが目につきましたので、ついでに無料で点検しますよ」などと、突然訪問してくるのが特徴です。
特に、近隣でリフォームをしているときに、その会社を装って訪問してくることがあるので注意しましょう。「近くで工事をしている者ですが、お手洗いを貸していただけますか?」など言って家に上がり込もうとする事例もあるようです。
犯罪の下見目的なら、家に上がり込んで貴重品の場所や間取りを確認したり、屋根に上がって侵入経路を探したりといった行動に繋がります。
対策としては、とにかく事前アポイントのない業者を家に入れないことが挙げられます。
本当に屋根や外壁に傷みがあったとしても、修繕業者は自分で手配しましょう。
[2]有名リフォーム会社を名乗るが身分証が無い
信頼を得るために、「○○リフォームの者ですが…」と、実在する有名企業や、実在しそうな会社名を名乗ることがあります。しかし、実際に会社から派遣された人間かどうかを確認するために、身分証の提示を求めると、「車の中に忘れてきた」「今、手元にない」などと言って、提示を拒否します。
身分証を提示できたとしても偽物である可能性もあるため、不審に感じた場合は、来訪者には一旦帰ってもらって、会社に直接電話をして確認しましょう。
[3]リフォーム箇所以外の場所も不自然にチェックする
リフォームの相談で訪問したにも関わらず、リフォーム箇所とは関係のない場所を不自然なほどチェックするのも特徴です。例えば、家の周囲をうろついたり、窓やドアの鍵の状態を確認したり、家の間取りを把握しようとしたりします。
彼らは、これらの情報をもとに、侵入経路や逃走経路を事前に確認している可能性があります。また、家の周囲に防犯カメラやセンサーライトが設置されているかどうかも調べているかもしれません。
家の周囲を不自然にうろついているようなら、特に注意が必要です。
[4]不自然な質問がある
リフォームとは関係のない質問をして、家族構成や生活パターンを探ろうとします。例えば「ご主人の帰りが遅いようですが、お仕事は何をされているのですか?」「親類やご近所の方がよく遊びに来られたりしますか?」「SNSはやっていますか?」など、個人情報に深く関わる質問をしてくることがあります。
これらの質問は、強盗にとって、犯行の計画を立てる上で非常に重要な情報となります。
リフォーム業者からこのような質問をされた場合は、警戒心を強め、安易に答えないようにしましょう。