パンデミックの終息とともに、世界の人々が再び旅に出るようになった。そこに「サステナブル・ツーリズム」というトレンドが生まれているのを、ご存じだろうか? ただの観光にとどまらない、新しい体験が生まれる旅に出てみよう。
観光立国スイスが「サステナブル」を牽引
観光業を含め、あらゆる分野で「サステナブル」へと舵を切っているヨーロッパ。中でも観光&環境立国・スイスでは、長年にわたる国の取り組みによって、その圧倒的な大自然と生物や文化の多様性が守られている。ゴミの削減やリサイクルといったエコロジカルな活動はもとより、伝統の食や暮らしを守り受け継いでいく努力が、国民の中に深く根付いているのだ。
(広告の後にも続きます)
鉄道の旅でCO2排出量を削減
スイス政府観光局では、「スイス+サステナブル」を組み合わせた造語「スイステナブル」を共通ブランドとして、ホテルやレストランなどの施設、交通機関などの観光サービス企業・団体などを認証。観光客だけでなく観光業界への啓発にもつなげている。
「スイステナブル」認証マーク
また、ヨーロッパでは、CO2排出量を抑えられる鉄道の旅が人気。スイス全土にも鉄道ネットワークが張り巡らされ、特に雄大な自然を眺めながら移動できる山岳鉄道は、スイスならではの旅の魅力でもある。
自然豊かなグラウビュンデン州各地を赤い列車で結ぶ、スイス最大の私鉄・レーティッシュ鉄道は、100%水力発電により運行していることで有名
©Rhaetische Bahn
スイスではさらに、ガソリン車の乗り入れ禁止リゾートを設け、クリーンエネルギーを用いたロープウェイの新プロジェクトを推進するなど、より踏み込んだ多くの取り組みがなされている。
アルプスの眺望を楽しむシルトホルン山頂へと上るロープウェイ(リニューアル中)も、岸壁を流れ落ちる滝の水力を利用した100%クリーンエネルギー
©P.O.Box,CH-3800 Interlaken-Switzerland,markus-zimmermann.com