自律神経とメンタルの乱れの整え方を、自律神経研究の第一人者・小林弘幸先生に伺う連載。第2回のテーマは「働く女性のストレス疲れ」。「小さなことでも、つい悩み過ぎてしまう」「仕事に振り回されやすい」人の気持ちを軽くする方法を紹介していきます。
お話を伺ったのは、小林弘幸(こばやし・ひろゆき)先生
順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
自律神経研究の第一人者。“腸のスペシャリスト”でもあり、自律神経と腸を整えるストレッチの考案など、さまざまな形で健康な心と体のつくり方を提案している。最新著に『なんとなくだるい、疲れやすいを解消する!自律神経について小林弘幸先生に聞いてみた』(Gakken)、ほか著書多数。
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Q.仕事の対人関係に悩んでしまい、どうしていいかわかりません
タカス / PIXTA
A.「自分は自分」と割り切る。時にはスルーも大事
仕事上のストレスは、自律神経にも悪い影響を及ぼします。ストレスの最大の要因となるのは、やはり対人関係です。
相手が自分の思い通りにならなかったり、自分と周りの人たちを比べて劣等感を抱いたりすると、心がマイナスの方向に引っ張られてしまいます。
しかも、対人ストレスは自分一人では解決できません。その分、悩みが深刻化し、自律神経のバランスも大きく崩れてしまいます。
ストレスで悩みやイライラが生じると、交感神経が優位に働き、血流を滞らせてしまうことも。その結果、脳への血液が回りにくくなり、思考力も低下するため、感情をコントロールするのが難しくなります。
そんな状態に陥らないためには、「人は人、自分は自分」と割り切るのが一番です。
他人の意見に左右されない確固たる信念を持って、常にブレることなく、自身の価値観を貫けるよう人間力を磨くのです。
それでも他人の目が気になる場合は、スルーするスキルを身に付けることも大切です。心がマイナスの方向に引っ張られるような出来事は「見ざる聞かざる」に徹しましょう。
常に気分が高まることだけを考えていれば、自律神経も安定します。