置き配の盗難時、責任の所在は?


判決を下す裁判官
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置き配の荷物が盗難された場合、誰がその損害の責任を負うのでしょう。ここでは責任の所在の考え方について解説します。

自己責任が基本

置き配の荷物が指定の場所に一度配達されている場合は、出荷先や配送業者は業務の義務を果たしていることになるため通常は責任が問われません。置き配後に盗難が発生した場合には自己責任となるのが基本です。

業者側にミスがあった場合

配送業者側になんらかのミスがあって盗難された場合には、配送業者側が損害を賠償する責任を負うことがあります。例えば「置き配を指定していない(合意がない)のにも関わらず置き配の形式で配送されていた」「置いた場所が誤っていた」「ずさんに置かれた」等、配送業者側に落ち度があり盗難が発生した場合、その責任は配送業者側に課せられることがあります。

損失を補償してくれる業者もある

出荷先の業者によっては損失の補填をしてくれるケースもあります。たとえばAmazonでは置き配で紛失が発生した場合、商品の再送や返金に対応してくれます。

(7)置き配を指定した荷物の紛失が心配です。
万が一の紛失時は、お客様から状況をお伺いした上で、商品の再送や返金に対応いたします。置き配オプションを指定し、配送状況画面で「お届け済み」となっているのに商品が届いていない場合などは、カスタマーサービスにご連絡ください。

出典:Amazon「よくあるご質問」より一部抜粋

犯人に損害賠償請求する

荷物を盗んだ犯人が見つかった場合には、民事事件として犯人に対し損害賠償請求を行うことができます。なお警察は民事不介入であり犯人を逮捕するまでが仕事ですので、警察側が損失の補填や損害賠償請求をしてくれるわけではありません。

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置き配の盗難対策


機械式の宅配ボックス
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置き配での盗難を防ぐには未然に対策を施すことも大切です。ここでは置き配の盗難対策方法やノウハウを紹介します。

宅配ボックスを設置

「宅配ボックス」とは、置き配などの荷物を安全に保管するための設備です。ホームセンターやネット通販などで購入することができます。宅配ボックスごと盗まれる事例もあるものの、そのまま置き配するのに比べれば安全性は大きくアップします。

宅配ボックスには「機械式(ダイヤル式)」と「電気式」の2タイプがあり、暗証番号によりロックすることができます。暗証番号は配達員が決めるようになっており、配達時にポストに入れる配達通知書で受取人に通知され、それを見て解錠する仕組みです。

防犯カメラを設置

玄関付近などに防犯カメラを設置しておくと盗難防止に繋がるだけでなく、実際に盗難された場合の証拠や犯人捜しの手がかりとしても役立ちます。またダミーカメラや防犯ステッカー、人感センサーライト等のアイテムも心理的に犯行を抑制できることがあります。

置き配用の保険に加入

置き配された荷物の盗難を補償対象としている個人用火災総合保険も登場しています。例えば大手保険会社の『損保ジャパン』では、個人用火災保険で置き配による盗難の補償を2021年1月より開始しています。置き配を多用する方はこうした保険へ加入しておくとより安心です。

コンビニやオープン型宅配便ロッカーで受け取る

置き配が不安な場合は、お近くのコンビニもしくはオープン型宅配便ロッカー(駅やショッピングセンターなどに設置されている)を配達先に指定するのも一つの手です。荷物を取りに行く手間は発生するものの、玄関前などに置き配するのと比べればずっと安全性は高いでしょう。

以上、置き配の盗難トラブルについて解説しました。置き配は便利ではあるものの盗難などの被害に遭うリスクと隣り合わせであり、犯人も見つかりにくいものです。自己責任ということで自分でリスクを負わなければならないケースも多いため、防犯対策を施し未然に防げるものは防いでいきましょう。