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就職や採用の傾向は世代ごとに変化する。Z世代は仕事よりも自分の生活を重視するなど仕事に対して消極姿勢のため、採用されてもすぐに解雇される傾向にあることがアメリカの就職・転職サイトの調査で分かった。
◆10社に6社が新卒解雇
教育・キャリアアドバイザリープラットフォーム「インテリジェント」が約1000人の採用担当者を対象に行った8月の調査によると、10社に6社が今年採用した大卒新入社員を解雇したことが分かった。
また、7社に1社が彼らの仕事に対する姿勢やコミュニケーション力、プロ意識において懸念があるため、次年の新卒雇用を控える予定だと回答した。
この結果から経営者がZ世代の採用に非常に消極的な考えを持っていることが判明した。
調査対象となった採用担当者の半数以上が、新卒者は仕事に対する強い倫理観に欠け、コミュニケーションに苦労し、フィードバックにうまく対応できず、労働の準備ができていないと答えている
また、Z世代の従業員のなかには、仕事量の管理に苦労したり、遅刻したり、服装や話し方が適切でない者が多いと報告している。
◆親同伴の就職活動
レジュメ・テンプレーツ社がアメリカの1428人の若手求職者を対象に4月に実施した調査によると、70%が就職活動の過程で親に助けを求めたことを認めたという。
また、26%の人は面接に親が同伴し、17%が親に応募書類を提出させ、18%が履歴書をすべて書かせたりしている。
◆「Z世代に費用と時間を」
インテリジェントの調査で、採用担当者は自発性と前向きな姿勢を重視していると答えている。そのほか、インターンシップや仕事を通じた経験、そして回答者の割合は低いが、ソーシャルメディアの適切な使用と、政治的な議論の回避も重要視している。
ユーロニュースによると、カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネスのホリー・シュロス上級講師は、Z世代が仕事の経験を積むことよりも、大学での競争力を高めるための課外活動に重点を置いた結果、職場や上司との付き合い方について「非現実的な期待」を抱くようになったと説明する。また、解雇率の高さや労働力への統合の難しさから、雇用主は現在Z世代の雇用をためらっているが、それでもZ世代は労働力の25%以上を占めていると付け加えた。「その結果、企業はトレーニングにより多くの費用と時間を費やす必要があるが、それを実施すれば、Z世代は成長するだろう」と指摘した。