ストレスだけじゃない!加齢による体型変化
40歳前後は、ストレスに影響するホルモンだけでなく、さまざまなホルモンの減少によって体型変化をもたらします。特に更年期では、ホルモン減少による自律神経の乱れからさまざまな症状が引き起こされるのです。
ホルモン補充療法(HRT)と体型変化
更年期特有の症状に用いられる治療の1つに、「ホルモン補充療法」があります。ホルモン補充療法(HRT)とは、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンを補うことで、更年期障害を改善する治療法です。ほてり、のぼせ、発汗などといった代表的な症状に大変高い効果を示します。なお、高血圧の方や肥満の方はホルモン補充療法中の血栓症の危険性が高まること、ホルモン補充療法をおこなってはいけない乳がんや乳腺腫瘍の有無を確認しながら投与をおこなう必要があります。
この療法を始めてしばらくは、太ってしまう方もいます。ホルモン剤により体のリズムが変わり、一時的に食欲が増えることや、体に水分がたまりやすくなってむくみなどが影響していると考えられます。慣れれば元に戻る可能性も高いでしょう。
ホルモン補充療法には、「合成ホルモン補充療法」と「天然型ホルモン補充療法」という2種類があります。日本では保険適用されている合成ホルモン補充療法が中心です。
合成ホルモンとは、科学的に作り出したホルモンのことです。天然型ホルモンは、人の体の中にあるのと同じホルモンを利用しています。副作用がゼロというのが、合成ホルモンとの大きな違いです。合成ホルモンは、血栓や脳梗塞、乳がんといった副作用のリスクがあるとされています。天然型ホルモンのほうが心配はないとはいえ、保険が適用されるので天然型よりもずっと安価です。どちらも特性や副作用なども理解してから利用することをおすすめします。
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ホルモン変化に対応した体型管理のポイント
40代以降は、筋肉量が減ることで基礎代謝が下がり、体型変化に影響を及ぼすもの。これまで運動を継続してきた人であっても、多かれ少なかれこの現象から逃れることはできません。ここからは筋肉量を維持する重要性と方法について見ていきましょう。
筋肉量維持の重要性と方法
これまで運動してきた人は、その回数や強度を増やすことが大事です。少しずつ増やしていって、無理なく現状維持を、あるいはそれ以上の効果が得られるところを探しましょう。
これまで運動をしなくても太ることはなかったという人も、40歳前後からは基礎代謝が下がっていくので、そのままの生活を続けているだけでは体重増加や体型変化は起こる可能性が高くなります。日常生活の中に軽いジョギング、ウォーキング、水泳などの有酸素運動を取り入れるのがおすすめです。また、隙間時間に階段の段差を利用した踏み台昇降運動もいいでしょう。
運動することが難しい場合は、買い物に歩いて行く、階段を多用するなど日常生活の中に運動に代わる動作を取り入れ、少しでも筋肉量アップを目指しましょう。
運動すると筋肉量がアップし、基礎代謝が増えるだけでなく、ストレス解消や気分転換になってリフレッシュ効果も期待できます。
大切な栄養摂取の重要性と生活習慣
無理な食事制限をすると体に負担がかかるため、できる範囲で少しずつ改善していくことが望ましいのはもちろんです。そのためにはある程度大まかな摂取カロリーの把握が必要です。負担にならないように、ダイエットアプリなどをじょうずに利用して、多すぎる部分、不足している栄養素などを確認してみましょう。
主食・副菜・主菜をバランス良く食べ、油分や糖分の多いものは避けましょう。
女性ホルモンの減少には女性ホルモンと似た働きをするとされる大豆イソフラボンの摂取がおすすめ。ただし大豆イソフラボンには1日の摂取量に上限値があります。70㎎~75㎎で、納豆だと2パックほどです。お腐も小さいサイズで十分な量です。朝食で豆腐入りのお味噌汁を飲む、納豆ご飯を食べるだけでも効果的でしょう。
納豆は大豆イソフラボンだけではなく、ミネラルやたんぱく質も多く摂取できるので、1日1パックを目安に取り入れてみてください。
40歳前後になると、複数のホルモンの働きが従来と違ってきます。そのときに起こる体型変化や不調なども、1つのホルモンだけが原因ということはありません。また、同じような分泌量の変化があったからと言って、全員が同じ症状を起こすわけでもないのです。
加齢によってホルモンバランスは崩れるものですが、それを少しでも元に戻したり、症状を軽くしたりすることは可能です。運動と食事内容を意識した生活習慣を早いうちから続けている人は、年齢を重ねても更年期症状や体型変化の度合いが軽くなる場合が多いようです。将来のリスクを軽減するためにもすぐに日常生活を見直して、取り入れてみましょう。