学生に限らず、私たちは試験や面接などの大事な場面で失敗したとき「もっと頑張ればよかった」と考えてしまいがちです。しかし、偏差値35から東大合格を果たし、書籍『東大生が教科別にわかりやすく教える 受験勉強法大全』(幻冬舎)を監修した現役東大生の西岡壱誠氏は、「頑張ったら成功する」という思考はとても危険であるといいます。その理由と、試験突破のために重要な考え方について、本記事で詳しくみていきましょう。
勉強は頑張ってはならない…勝利の方程式は「時間」×「効率」
みなさんは、東大生にどんなイメージがありますか? 「ガリ勉」「頑張り屋」などいろいろあるかと思いますが、毎日頑張って、つらくても努力を継続できる才能がある人と想像し、自分もそうなりたいと思われるのではないでしょうか?
しかし、そこが一番の落とし穴なのです。受験生にとって最大の敵は「頑張ってしまう」ことなのです。「頑張ることがダメってこと?」と思うかもしれません。はっきり言わせていただきましょう。みなさん、勉強は頑張ってはダメなのです。
こんなことを言うと、「勉強を頑張らないと成績が上がらないじゃん!」と思われるかもしれません。ですが、正確には「頑張ったら成績が上がる」という思考がとても危険なのです。
もちろん勉強時間を頑張って増やせば、確かに勉強の成績は上がりやすくなります。でも、勉強というのは「時間」だけでなく「効率」がとても大切なのです。勉強は「時間」×「効率」=「結果」。これが勉強の勝利の方程式なのです。
だから、どんなに長く机に向かっていたとしても、眠くて集中していなければ全く意味がないですし、超効果的な勉強でも時間がたった1分だったら成績は上がりません。そして、多くの人はたくさん「時間」をかけて勉強したことだけで満足してしまいます。
「こんなに時間をかけて頑張ったんだから成績が上がるはずだ」。そんな、努力神話を私たちは信じがちなのです。
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私たちの「ゴール(目的)」はどこなのか?
私も偏差値35のときは、1日14時間ぶっ続けの勉強をしようとして失敗しました。短期的に見ればそれで成績が上がる瞬間もあったのですが、長続きはしませんでした。
逆に東大生たちはしっかりと効率化して勉強に臨んでいます。例えば、東大生たちの特徴として、「ゴールを先に見て逆算していく」というものがあります。
第一志望校に合格したいと考えたときに、まずは過去問を見るのです。どんなに問題の意味が分からなかったり、解けなかったりした問題があったとしても、とにかく過去問を見ます。
それで、「ああ、これが解けるようにならなきゃならないんだな」と知り、どの分野の問題が解けなくてはいけないのかを意識して勉強する場合が非常に多いのです。