桑田さんを苦しめた“最大の出費”

最大の出費は差額ベッド代。これが高かった。

「最初の3週間は2人部屋で1日の差額ベッド代が1万6,500円もかかりました。その後は4人部屋に移ったのですがやはり差額料が必要で、1日で1万1,000円でした。差額料が必要ない6人部屋の病室に入れたのは退院前の2週間だけだったから大層な金額になりましたよ」

差額料の総額は驚きの102万3,000円。窓口で支払った医療費の総額は約28万円、食事代と諸々の雑費が16万円ほど。「大袈裟でなく150万円ぐらい出ていっているはずです」

疾病保険に加入していたので後日申請し手術給付、入院給付の合計で約52万円が保険会社から支払われたが、それらを差し引いた実質の負担は約100万円になった。これでまず信金に預けてあった定期預金を解約した。

(広告の後にも続きます)

まさかの“ダブルパンチ”に悲鳴…妻を襲った悲劇

「徐々に身体を慣らし、とりあえず出勤できるまで回復したのですが安心したのも束の間でした。今度は妻が大ケガを負ってしまい長期療養が必要になってしまいました」

奥さんはもともと更年期障害があってレディスクリニック(婦人科)に通院していたが、これ以外に慢性疾患や生活習慣病はなく、さほど大きな医療費は必要なかった。「それが自宅の階段を踏み外して転げ落ちてしまい、全治3ヵ月の重傷を負ってしまったんです」

救急車で搬送されたのは隣の市にある公立の総合病院。「骨盤にヒビが入り、右足の内側靱帯も部分断裂。更に左手の手首も脱臼という重傷です」

「差額」が痛手…1ヵ月の入院とリハビリで約100万円飛んだ

靭帯は手術して接合したので丸4週間入院する事態だった。「医療費はわたしと同じく1ヵ月10万円程度で済んだのですが、やはり差額ベッド代が高くてね」

差額料不要のベッドは少なく、また空きがないということで20日間は1日1万4,300円の個室に入れられたので総額28万6,000円の差額料が必要だった。限度額の医療費と諸雑費を合算すると42万円近く支払ったということだ。

「公立病院は1ヵ月で退院できたのですが、その後の6週間はリハビリ専門病院に転院して機能回復訓練しなければならなかったんですね」

このリハビリ専門病院でも差額料が必要で、1日6,600円。6週間42日だと27万7,200円の負担。医療費、食事代、その他雑費の合計で約48万円。「妻も郵便局の簡易保険に入っていたので給付を受けられたけど、自己負担は25万円と少しかかりましたよ」

コツコツ貯めた定期性の預貯金も、解約することに

奥さんはその後の2ヵ月は週3日、ないし4日、通院でリハビリを続けたので更に医療費がかかっている。往復の交通費まで含めると5万円は払っているはずだ。

「こういう事情で定期性の預貯金を下ろして医療費の足しにせざるを得なかった。1口当たり20万円とか30万円の小口のもので、積立定期とかボーナス時に天引きしたりしてコツコツ貯めたのですが、使うのは簡単だった」