夫には、「ある変化」が訪れることを結婚後に知りました。それは車のハンドルを握った瞬間。付き合っていたころはそんな素振りは見せなかったのに、まるで別人格が乗り移ったかのように、不機嫌になってしまうのです。
車に乗ると性格が変わる夫
夫は前の車が少しでも遅いとイライラが始まり、その車が視界から消えても、夫の機嫌はなかなか戻りません。
同乗している私たち家族は、いつもハラハラドキドキ。まるで地雷原を歩いているような気分なのです。
(広告の後にも続きます)
子どもが産まれそうな日も…
特に忘れられないのは、子どもが産まれそうなあの夜。陣痛の痛みで苦しんでいる私以上に、助手席の私は夫の機嫌が気になっていました。産婦人科に連絡し、夫に車で送ってもらったものの、まだ産まれる気配はなく、一旦自宅に戻ることに。真夜中だったこともあり、病院の先生の対応は少し素っ気なく、夫は明らかにご立腹。帰りの車内は、先生の文句で埋め尽くされました。
「帰って少しでも早く寝たい」。そう思っていた夫は、暗い道をスピードを出しながら運転していました。「父親になるんだから、落ち着いて!」と叫びたい気持ちをグッとこらえ、私はただ黙って座席にしがみついていました。不思議なのは、車を降りると同時にいつもの穏やかな夫に戻ること。まるで魔法が解けたみたいです。