求償権行使の余地を確認することが重要
不貞行為に対する慰謝料請求が発生した場合、まず検討すべきは請求額の妥当性と減額の可能性です。一般に、不貞行為の頻度や期間、当事者間の関係性などが、慰謝料の額に影響を与える要素となります。たとえば、不貞行為の頻度が低かったり、もともと婚姻関係が破綻していたりするような場合には、慰謝料の減額を主張することができます。
なお、今回の事案では不貞行為を知られたのが2年前ということですが、3年を超えると慰謝料請求権が時効消滅している可能性もあるため検討が必要です。
さらに、慰謝料を支払うことになった場合には、不貞行為の相手方に対して求償権を行使することができます。求償権は、実際に慰謝料の負担を負った者が、その責任の一部を不貞行為に加担した相手に請求する権利です。不貞関係が相手の主導であった場合、特に求償権の主張が認められる可能性が高くなります。
したがって、慰謝料請求をされた場合には、まず減額の可否を検討し、同時に求償権行使の余地を確認することが重要です。法的手続きにおいては弁護士の助言を受けながら、適切な主張を行うことが重要になります。
寺岡 健一
弁護士