更年期?PMS?【50代女性のメンタルケア】怒りっぽさが続くときの対処法

イライラが起こる原因

ここでは、イライラが起こる原因についてご紹介します。

精神的なストレスが強い

さまざまな要因によって受ける精神的なストレスが強いと、イライラにつながります。ストレスは大きく「外的なストレス」と「内的なストレス」に分けられます。

外的なストレス……仕事や忙しさ、緊張状態が時間続く、さまざまな人間関係でのストレス など
内的なストレス……理想と現実のギャップ、自分の考え方の癖、自分を責める、葛藤 など

自分ではストレスを自覚していない場合や、細々したストレスが積み重なってイライラにつながっている可能性も考えられます。

ストレスを受け止める余裕がない

自分に余裕があれば、ストレスがかかったとしてもある程度は対処できるものです。

しかし、睡眠不足、疲労、空腹など「体調の影響」、PMSや更年期障害、甲状腺の不調、内臓の不調、ケガによる不調など「病気やケガなどによる不調」や「精神疾患」などの原因により、自分にストレスを受け止めるだけの余裕がなくなると、イライラしやすくなります。

また年を重ねることで感情を抑え込むエネルギー量が低下してしまい、感情のコントロールが難しくなってしまうこともイライラしやすくなる理由の一つと言えます。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンは、体のさまざまな機能を調整する役割を持っています。

女性の場合、生理前や更年期に女性ホルモンの影響でイライラしやすくなることが知られていますが、男性も年齢を重ねるにつれて男性ホルモンの分泌量が少なくなって起こる「男性更年期障害」によってイライラが起こることがあります。

病気

些細なことでイライラしたり、怒りっぽくなったりする症状がひどい場合や、ずっと収まらない場合は、なんらかの病気が原因になっている可能性も考えられます。

悪化してしまうことのないよう、早めの対処が大切です。

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イライラの症状が現れることがある病気

ここからは、イライラの症状が現れることがある病気について解説します。

月経前症候群・月経前不快気分障害

生理が始まる2週間前くらいから現れるイライラや頭痛、腹痛、乳房の痛み、気分の落ち込み、不安感などの症状のことを「月経前症候群(PMS/Premenstrual Syndrome)」といいます。

PMSの中でも、イライラや怒りっぽくなる、不安や気分の落ち込みが強いなど、精神症状が強い場合は「月経前不快気分障害(PMDD/Premenstrual Dysphoric Disorder)」と診断されることも。

原因については完全には明らかになっていないものの、重い症状が続くと生活や仕事、人間関係にも支障が出ることがあります。PMDDの治療にはSSRIというセロトニンを増やす薬剤を用います。

現れる症状は似ているPMSと更年期ですが、「周期があるかないか」という点で違いがあります。PMSの場合は1か月単位の周期性がありますが、更年期症状には周期性はみられません。

更年期障害

更年期障害とは、更年期にみられる不調(更年期症状)の症状が重く、日常生活に支障が出てしまうような状態のことです。

更年期というとホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)や発汗、むくみ、動悸、息切れなどの症状をイメージする人が多いかもしれませんが、イライラ、不安感、抑うつ症状、不眠など精神的な症状も多く見られます。

更年期症状は症状の現れ方が人によって大きく異なり、軽い人もいれば、寝込んでしまうほどつらい人も。つらい症状を感じている場合は「更年期だから」と放置せず、早めに病院を受診することが大切です。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)といった甲状腺の病気も、イライラにつながることがあります。

甲状腺機能亢進症では、血液中の甲状腺ホルモンが過剰になることで交感神経の感受性が高まり、イライラしやすくなります。その他にも、動悸や発汗、暑がりになる、手足が震える、疲れやすい、食欲増加などの症状が起こることが多いです。

うつ病などの精神疾患

うつ病などの精神疾患があると、ストレスを受け止める余裕がなくなり、些細なことでイライラしたり、怒りっぽくなったりすることがあります。

イライラが見られる病気としては、以下があります。

うつ病
双極性障害(躁うつ病)
適応障害
不安障害
強迫性障害(OCD)
境界性パーソナリティ障害
解離性障害
統合失調症
発達障害
摂食障害 など

認知症

認知症の多くを占めるアルツハイマー型認知症では、怒りっぽくなる症状が見られることがあります。

認知機能が低下し、物忘れなどが起こると、それに対しての不安や焦燥感が生じ、イライラや不機嫌につながることも。すぐに怒鳴る、攻撃的な発言をするなどが見られることもあります。

依存症

依存症とは、アルコールやタバコ、ギャンブルやゲームなど、特定の物質や行動に対してのコントロールがうまくできなくなる病気です。

依存症では、特定の物質や行動ができないときに離脱症状として、イライラや気分の落ち込み、落ち着きの無さといった症状が起こることがあります。

高次脳機能障害(社会的行動障害)

脳の病気やケガによって脳がダメージを受けると「怒りっぽくなった」「ずっとイライラしている」「こだわりが強くなった」「物覚えが悪くなった」という、これまで見られなかった症状が起こることがあります。これを、高次脳機能障害といいます。

人間の脳は、「感情をコントロールする」「集中する」「記憶する」といった高度な機能を持っていますが、この機能が障害を受けると、易怒性や易刺激性が引き起こされることがあります。

外見では判断しにくく、本人も気づかないことがありますが、「脳の病気やケガの後で性格が変わった」という場合は高次脳機能障害の可能性が考えられるでしょう。