63歳になる義兄は多趣味です。多趣味というより、いろいろなものをコレクションするのが好き、といったほうが正しいかもしれません。レアなマンガ本からレトロな家具、香水、人形まで、集めるジャンルは実にさまざまです。最初は「すごいなぁ、いろいろな物に興味があるんだな」と感心していたのですが……。

熱しやすく冷めやすい義兄

ところが、あるとき私は気付いたのです。義兄の「好き」の炎は、燃え上がるのも早ければ、消えるのもまた早いということに。

ある日、義兄が嬉々として昔のマンガ本のコレクションを見せてくれました。私はマンガには詳しくないのですが、義兄は目を輝かせて、それぞれのマンガの歴史や希少価値について語り始めました。聞いているうちに、その情熱に圧倒され、私も少しだけマンガの世界に興味が湧いたのを覚えています。

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すぐに他の物に目移り

しかし数カ月後、義兄の興味はレトロな家具に移っていました。今度は、大規模フリーマーケットで見つけたという年代物の椅子やテーブルについて熱弁されました。マンガ本のことはすっかり忘れてしまったかのようでした。

そしてまた数カ月後には香水、その次は人形……と、義兄の「好き」は目まぐるしく変わっていきました。