確定申告【見落とし注意!】古着deワクチンで寄付金控除は受けられる?受ける際の手順も紹介!

「古着deワクチンは確定申告すれば寄付金控除が受けられるの?」社会貢献をする寄付者の負担を減らすことにつながる寄付金控除について詳しく紹介!確定申告で慌てないためにも、寄付先を検討する際は控除が受けられるのかを事前に調べておきましょう。

確定申告で受けられる寄付金控除とは

近年、災害で被害を受けた地域やひとり親世帯、開発途上国の恵まれない子ども達へ寄付を行う人が増えています。

寄付は寄付者が自身のお金や不用品を送ることで、困っている人を支援することを目的とすることが多いですが、実は寄付者も「寄付金控除」という税の優遇措置が受けられることをご存じですか?

ここでは、確定申告で受けられる寄付金控除について詳しく紹介します。

寄付金控除とは税の優遇措置を受けられる制度

「寄付金控除」とは、国や地方公共団体、認定NPO法人などの特定の団体へ一定額の寄付をした場合に、確定申告をすることで、その金額に応じた税の控除が受けられる制度です。

個人で寄付を行った場合は所得税や住民税が軽減され、法人が寄付を行った場合は寄付した金額のうち一定額を損金算入(税法上の経費に該当するもの)できます。

2008年にスタートし、徐々に一般に浸透しているふるさと納税でも、寄付金控除が受けられる可能性があります。

また、控除が認められるのは寄付金だけでなく、物品でもものによっては控除を受けることが可能です。

例えば、地方公共団体に対してパソコンを寄付した場合、個人では所得税法の「国または地方公共団体に対する寄付金」に、法人では法人税法の「国または地方公共団体に対する寄付金」に該当するため、寄付金控除の対象となります。

どの団体に寄付しても寄付金控除が受けられるわけではない

寄付金控除の対象となるのは、「特定寄付金」と認められたもののみです。

寄付金控除は税金を納めるのと同等の効果をもたらすような公益性のある寄付をした場合に、税金を前払いしたものとして還付するという考え方で成り立っているため、寄付した団体や寄付の種類によっては控除対象とならない可能性があります。

特定寄付金と認められるのは、以下の団体に対して寄付を行った場合です。

国・地方公共団体:ふるさと納税など
公益社団法人・公益財団法人:各都道府県共同募金など
特定公益増進法人:日本赤十字社や日本ユニセフ協会など
認定NPO法人:認定NPO法人フローレンスや認定NPO法人カタリバなど
政治活動に関する寄付金:政党や政治資金団体など

他にも、社会福祉法人や更生保護法人、独立行政法人、学校法人などへの寄付金が特定寄付金とよばれます。

ただし、上記の団体に対して寄付を行った場合でも、入学の際に学校へ支払う寄付金や個人の利益・政治資金規正法に違反するような寄付金などは、特定寄付金として認められないため注意が必要です。

寄付金控除を受けるには確定申告を行う必要がある

寄付金控除を受けるには「確定申告」を行う必要があります。寄付すれば勝手に控除が受けられるわけではないため、寄付を行ったら必ず寄付金の領収書(受領証)と必要書類を揃えて確定申告を行いましょう。

会社員の場合は勤務先で年末調整を行いますが、自分で確定申告を行わなければ寄付金控除を受けられない点に注意が必要です。

ただし、ふるさと納税をした場合、以下の条件に当てはまれば「ワンストップ特例制度」が適用されるため、確定申告を行わずに控除の申請ができます。

確定申告をする必要がない
1年間の寄付先が5自治体以内

個人事業主や年間2000万円以上の給与所得者、医療費控除を受ける人など、確定申告が必要な人は、ワンストップ特例制度を利用できません。

なお、1年間の寄付先が5自治体以内であればワンストップ特例制度を利用することが可能です。6回以上寄付を行っていても、同じ自治体に複数回の寄付をした場合は1自治体として数えられます。

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個人が寄付金控除を受ける際の手順

個人が寄付金控除を受ける際は、年末調整で控除を受けることができないため、確定申告を行う必要があります。

ここでは、個人が寄付金控除を受ける際の手順を紹介します。

寄付金控除の対象となっている団体に寄付をする

活動内容や理念などを確認し、自分が寄付したいと思える寄付先に寄付を行います。このとき、寄付先の団体が寄付金控除の対象となっていることを確認しておきましょう。

なお、寄付金額の上限は総所得の40%となっているため、その範囲内で無理のない金額を寄付してください。

領収証明書を保管しておく

確定申告で寄付金控除を受けるには、寄付したことを証明する領収証明書が必要です。

領収証明書は寄付先の団体から送付されますが、再発行ができないため、確定申告まできちんと保管しておきましょう。

電子データの場合は、マイナポータルを連携させて一括取得することで、申告書に自動入力も可能です。

必要書類を用意する

確定申告では寄付金の受領証明書以外にも以下の書類が必要となるため、事前に準備しておきましょう。

寄付金の受領証明書
源泉徴収票
マイナンバー
本人確認書類

上記のほか、一定の特定公益増進法人や特定公益信託の信託財産とするための支出の場合は、法人や信託が適格であることの証明書や認定書の写しが、政治活動に関する寄付金の場合は選挙管理委員会などの確認印のある「寄付金(税額)控除のための書類」が必要です。

また、還付金を受け取るための口座番号も必要となるため、書類と同時に準備しておくとよいでしょう。

確定申告を行う

確定申告の提出期間は2月16日から3月15日です。原則として翌年に確定申告を行いますが、還付金の申告であればこの期間を過ぎても5年間であれば申告できます。

国税庁の国税電子申告・納税システム「e-Tax」でパソコンやスマートフォンなどから提出するか、税務署に郵送や持参して提出します。

以下は、確定申告で寄付金控除の申告をする際の手順です。

e-Taxで確定申告書の作成を開始する
「所得控除の入力」を開始する
8種類の寄付金の中から該当するものを選ぶ
寄付年月日や寄付金の種類の詳細、寄付金の金額や寄付先の所在地、名称などの項目を入力する

ふるさと納税で寄付金控除を利用する場合、e-Taxでは「寄付金控除に関する証明書」の内容を入力して送信すれば、証明書類の提出を省略できます。

控除を受ける

確定申告によって発生した還付金は、申告時に指定した口座へ3月中旬から5月頃に振り込まれます。ただし、住民税は寄付を行った翌年の6月以降に、住民税額から差し引かれる形で控除される点に注意が必要です。