国立キノコセンターが推進する事業

国立キノコセンター(NMC)の支援は、このプロジェクトを実現するために非常に重要な役割を果たした。NMCは、ブータン全土でキノコ栽培を推進しており、栽培者が実行可能なキノコ栽培の手法を確立できるように支援している。

NMCのプロジェクトディレクター、チェンチョ・ドゥルクパ氏によれば、政府はキノコ栽培専用の予算を割り当てていないとのことだ。

「今年度、NMCには約700万ニュルタム(約1,280万円。ニュルタムはブータンの通貨単位)が予算として割り当てられており、これには資本予算と運営予算が含まれていて、キノコの菌床を作成し、栽培者に提供するために使われています」とドゥルクパ氏は説明した。この資金は、農民に対してキノコ栽培を収益性の高い持続可能な農業の選択肢として探求するよう奨励する取り組みに充てられている。

NMCのアプローチは、地域主導のイニシアチブを促進することに重点を置いており、参加希望者が厳格な会員資格なしで参加できるようになっている。「NMCはコミュニティメンバーを選定しません。重要なのは栽培者の熱意であり、栽培を始める前に実現可能かどうかの調査のみを行います」と、ドゥルクパ氏は話した。このオープンなアプローチにより、農業に情熱を持つ農民が参加し、NMCのサポートと資源を活用できるようになっている。

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シイタケ栽培における課題

しかし、シイタケ栽培には課題もある。ブータンでは、インフラが限られているため、年間を通じての栽培は難しいのが現状だ。

「簡単なキノコ小屋で栽培した場合、それは季節性になります。しかし、質の高いキノコ小屋を建て、空調設備や加湿器、暖房設備などの気候調整システムに投資すれば、年間を通してキノコを栽培することができます」と、NMCのプロジェクトディレクターは話した。

ケロン女性グループは現在、季節によって限定的に活動しているが、事業拡大とインフラ改善により継続的な生産が可能となり、関与する女性たちに安定した収入源を提供できる可能性がある。

一方、ブータンの市場はまだ国内生産で十分に供給されていないため、同グループは現状、キノコに対する地元の需要を満たすことに重点を置いている。