あなたは職場での仕事をどうやって習得しましたか? 独学ではなく社内研修や職場でのOJTを通じて覚えたのではないでしょうか。数億円の資産を築いた元メガバンカー坂下仁氏によれば、副業も同様に、ある程度のレベル以上になったらセミナーに参加したりコミュニティ・サークルに参加したりして、実践者から学ぶほうが効率的だといいます。今回は坂下氏の新刊『新版 いますぐ妻を社長にしなさい』(フォレスト出版)より一部を抜粋し、副業に役立つセミナー選びの5つのポイントをご紹介します。
中級以上の副業は実践者から学ぶ方が効率的
会社員が副業を始める際、入門や初級レベルなら本やネットから学ぶだけで実践できます。でも、中級になると独学が難しいので、セミナーに参加したりコミュニティやサークルに所属したりして、実践者から学ぶほうが効率的です。
とはいえ、どんなセミナーがよいかは個別性が強いし、その時々で変化します。私もよくわからなかったので、これまで数百回のセミナーに参加し、学びに数千万円相当を投資してきました。そんな経験から気づいた大切なポイントが、次の通り5項目あります。
1. 10年以上続いているメソッドは本物
2. 無名な人の有名なメソッドには再現性がある
3. お金の流れを見れば、本当のお客様が誰かわかる
4. アウトプットとフィードバックと応援の場があれば本物
5. メソッドが本物か否かは時間でも見分けられる
順に見ていきましょう。
1. 10年以上続いているメソッドは本物
1つ目は、10年以上続いていること。ビジネスや副業にも、トレンドや流行りすたりがあります。ところが良質なメソッドは、トレンドに関係なく長続きします。残っているメソッドは、本質をしっかり押さえたものばかりです。
10年も経つと、前田出先生が提唱された新・家元制度やレノン・リー先生の武学などのように、後継者に代替わりしているケースも多いのですが、10年生き残っているメソッドは、本物だと思ってよいでしょう。
2. 無名な人の有名なメソッドには再現性がある
2つ目は、再現性があるメソッドです。セミナーには、カリスマ性のある有名人が主宰する場合と、メソッドに再現性があって人が集まる場合があります。
主宰者にカリスマ性がある場合は、内容よりも主宰者がすごいケースが大半です。その人に天賦の才能があるからすごい成果が出るということ。それゆえ、その人から直接学べても、マネできるとは限りません。
主宰者に才能がなくても、メソッドに再現性があれば誰でもマネできます。だから誰でも先生として教えられる。たとえば、考案者のお弟子さんが教えているセミナーは、お弟子さんにもできるのですから再現性があります。
メソッドを考えた人は無名なのに、その人の本やメソッドが有名な場合も、再現性があります。
3. お金の流れを見れば、本当のお客様が誰かわかる
3つ目は、お金の流れです。受講料だけで運営しているセミナーを選びましょう。なぜなら、お金を払う人だけが本当のお客様になれるからです。
たとえば生命保険代理店の仕組みを見ると、よくわかります。お店を訪ねれば相談に乗ってもらえ、複数の保険会社の商品からお勧めを選んでくれます。あなたの感覚では、お客様である自分にベストな保険を選んでくれるに決まっている、と思うでしょう。
でも、代理店にお金を払うのはあなたではなく保険会社です。したがって、代理店の立場に立てばお金を払う保険会社こそがお客様であって、あなたはお客様ではありません。保険会社に提供する仕入れ商品でしかないのです。保険会社がお客様である以上、保険会社のために最善を尽くすのが当たり前です。
セミナーも同じです。金融商品や不動産、業者さんを紹介された経験はありませんか? そのとき裏でキックバックが発生しています。大金が動けばキックバックも多額になり業者さんがお客様になるのです。これを利益相反といいます。すべてではありませんが、用心するに越したことはありません。
4. アウトプットとフィードバックと応援の場があれば本物
4つ目は、フォロー体制です。アウトプットできる仕組み、フィードバックを受ける環境、応援しあえる場の3つが整っていたら本物です。インプット→アウトプット→フィードバックを何度も繰り返して、続けられて初めてスキルが身につくからです。
子どもの頃の習い事や授業を思い出してください。聴くだけでなく、ドリルを解いたり書き取りしたり手足を動かしては、体で覚えませんでしたか。インプットだけでは身につかないからです。ヒトは、アウトプットして初めて理解できるのです。
本で読んで実践する人は1%未満だそうです。セミナーも同じでインプットだけでは効果が出ません。アウトプットできなければ、お金を払って受ける意味がないのです。
フィードバックを受けられる環境も必須です。自分には、自分のいい点と足りない点が見えません。第三者からフィードバックを受けて初めて上達するのです。
お互いに応援しあえる場も欠かせません。ヒトの意思は弱くモチベーションがもたないので、応援しあえる仲間がいる場がないと続きません。それがコミュニティーです。受講後もフォローしてもらえて、価値観や関心事を共有できるコミュニティーがあるメソッドであれば本物です。
5. メソッドが本物か否かは時間でも見分けられる
5つ目は時間です。これも昔を思い出してください。数時間で習得できる科目や習い事はありましたか?
どんなに優秀な人でも、数時間では習得できなかったと思います。例えば英語も国語も数学も、中学1年生の学習時間は140時間です。家で復習して塾に通って、試験勉強もして、やっと中学1年生レベルになれる。1〜2時間で習得できるわけがありません。
セミナーも同じです。1〜2時間のセミナーを1回受けるだけでは、ほとんど効果がありません。効果がなければ、安物買いの銭失いになります。
銀行員の頃、残業が毎月100時間を超えて週末に持ち帰り、自分の時間がありませんでした。それでもスキマ時間に、ロバート・キヨサキさんや神田昌典さんなどいろいろな分野のオーディオプログラムを聴きました。一番短いドルフ・デ・ルース博士の不動産投資大学で7時間、一番長いジェームズ・スキナーさんの成功研究会は30時間です。何度も聴いてやっと腑に落ちました。良質で良心的なメソッドほど、時間がかかるものです。
良質だと感じたセミナーの9割は、1時間あたり単価が5,000円以上でした。長時間セミナーだと数十万円になるので、私も判断に迷いました。
でもいまは、フロントセミナーという短時間のお試しセミナーで概略がわかります。体験会や説明会、入門セミナーのような名前のセミナーがそれです。そこでまずはフロントセミナーを覗いてみましょう。そうすれば、5つのポイントも見えてきます。雰囲気や参加者の質、講師の人柄や人間性もわかります。
坂下仁
お金のソムリエ協会会長
※本記事は『新版いますぐ妻を社長にしなさい』(フォレスト出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。このメソッドによる結果に編集部は一切責任を負いません。自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。