実は命にもかかわる「便秘症」
従来は「たかが便秘」といわれてきましたが、実は便秘は命にも関わる病気だということが近年、わかってきました。排便時のいきみで血圧が急上昇し、心筋梗塞や脳卒中を招くことがあるのです。
「若い方はトイレでいきんでもそれほど血圧が上がりませんが、年をとると動脈硬化が進んでいますから、血圧が跳ね上がります。実際、トイレで倒れて救急車を要請するケースも少なくなく、便秘の人はそうでない人より心筋梗塞や脳卒中による死亡リスクが高いという報告も。
また、便秘だと慢性腎臓病(CKD)の発症率も上がります。まさに便秘は万病のもとです」と中島さんは警鐘を鳴らします。
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あなたは大丈夫?便秘症セルフチェック
2017年に日本初の『慢性便秘症診療ガイドライン』が作成され、便秘は「本来、体外に出すべき便を十分量、かつ快適に排出できない状態」と定義されました。
さて、あなたは大丈夫ですか? まずは下のチェック表で便秘かどうか、確認してみましょう。
強くいきまないと出ない
便が硬い、ウサギのフンのようにコロコロ
排便後も残便感がある
お尻の穴が詰まった感じや便の出にくさ(排便困難感)がある
なかなか出ないので、指で便をかき出す必要がある
薬を使わないと2日以上便が出ない
排便の4回に1回以上の頻度で上の2項目以上に該当する場合、「便秘症」と診断されます。
若い頃から便秘だった人も、そうでなかった人も、50代以降は便秘問題がさらに身近になってきます。恥ずかしがらずに、症状が軽いうちからケアを始めましょう。
次回からは、お通じをよくする「食べる腸活習慣」と日常生活の中で実践したい「生活と動きの腸活習慣」を紹介します。