台湾メディアが侍ジャパンの「円陣声出し」を皮肉交じりに報じた。
「どうも未来から来ました」
地元メディア「聯合報」(ウェブ版)は2024年11月25日、「第3回WBSCプレミア12」の特集記事を公開した。
同大会の決勝戦は24日に東京ドームで行われ、日本が台湾に0-4の完封負けを喫し、大会連覇を逃した。日本は同大会初黒星だった。
「聯合報」が注目したのは、試合前の日本代表の「円陣声出し」だ。
この日は辰己涼介外野手(楽天、27)が「声出し」を担当し、ベンチの前で次のようにチームを鼓舞した。
「どうも未来から来ました。未来といったら、今日の夜の12時ぐらいから来たんですけど。もう、答え言っていいですか? 優勝しています。なので、道中に先制されようが、逆転されようが、気にしなくて大丈夫です。焦ることなく、自分が出せる力をみなさんが出し切って下さい。優勝おめでとう。それでは行きます。さあ、行こう」
「聯合報」の記事では、「24日の試合開始前に辰己は自信を表明し、チームメイトの士気を鼓舞する役割を担った。その際に『未来から来ました! 優勝おめでとうございます!』と言って盛り上げた。しかし、結局彼の『予言』は実現しなかった」と皮肉を交えて報じた。
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「負けたらピッチャーに転向します」
さらに、同メディアは辰己が台湾戦を前にして「負けたらピッチャーに転向します」などと発言したことに言及した。
スポーツ紙の報道によると、辰己は決勝戦前日にメディア取材に応じ、「負けたらピッチャーに転向します。インパクトを残せるのは最後なんで。最後に結果を残すのが主人公。明日は最後なんで勝ちたい」と決意を語ったという。
「聯合報」は、辰己の発言について、「辰己選手は試合(決勝戦)後、『明日からすぐに来季に向けて打撃練習を始める』と述べ、投手転向に関するジョークを撤回したが、ネットユーザーらからは『誇り高き選手が負ける』と批判の声が上がっている」と報じた。
辰己の「声出し」は、日本の野球ファンの間で賛否の声が上がり、インターネット上で大きな波紋を広げた。
Xでは「台湾に失礼 リスペクトに欠ける」「日本がこの発言を良しとするチームなのであれば、負けるべくして負けた様に思います」「相手へのリスペクトなさすぎて泣く」など批判的な声の他に、「辰巳さんの声だし面白かったな~」「辰己選手の声出しになんか泣きそうになった」「辰己の声出し良過ぎるんだけど」「未来から来た辰己さん面白すぎる」と前向きにとらえる声も見られた。
日本は1次ラウンド、スーパーラウンドでそれぞれ台湾と対戦し2連勝を飾るも、決勝戦では打線が沈黙して連覇はならなかった。