3.障害児入所施設の支援内容
福祉型障害児入所施設
福祉型の施設では、主に以下の支援をおこなっています。
支援計画の作成と実施愛着形成、安全・安心な生活のための環境整備日常生活動作(ADL)の支援対人コミュニケーション方法の指導高いケアニーズ、行動上の課題が生じた子どもへの対応家族支援
・支援計画の作成と実施
退所後を見据えて、アセスメントに基づいて支援計画を作成します。本人の希望や利益を優先することを念頭に、一人ひとりの特性に応じた計画の実践・点検・評価をおこないます。
・愛着形成、安全・安心な生活のための環境整備
とくに乳幼児や低年齢児、被虐待児は愛着形成が不十分なケースもあるため、特定の職員が一人の子どもにかかわる、小さな訴えも聞く姿勢を持つなどして信頼関係を築きます。また、ケガがないよう環境面の整備や安全教育をおこないます。
・日常生活動作(ADL)の支援
食事や移動、排泄、着替え、入浴、金銭管理、通院・服薬管理、行事への参加や充実した余暇などの機会を提供し、指導をおこないます。
・対人コミュニケーション方法の指導
将来的な自立に向けて、対人関係を適切につくりあげるためのコミュニケーション方法を教えるのも大切な役割の一つです。コミュニケーションの楽しさを感じてもらえるよう、発言に同意するなど肯定的な接し方を心がけます。
・高いケアニーズ、行動上の課題が生じた子どもへの対応
虐待経験などにより、不安障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱えていたり、リストカットなどの自傷行為をおこなう子もいます。こうした行動上の課題が見られる子どもに対し、環境整備や心理面での支援を継続的におこないます。
・家族支援
児童相談所などの関係機関や専門家と連携し、ペアレントトレーニングの提供や、家族の意向の把握、家庭環境の整備をおこないます。
医療型障害児入所施設
医療を提供する医療型障害児入所施設では、福祉型の支援内容に加えて、主に以下の支援をおこなっています。
手術や医療的ケアの評価病気の治療・看護リハビリテーション病気・障がいの状態に配慮した活動や機会の提供
・手術や医療的ケアの評価
気管切開などの外科的手術や、呼吸器の管理を含む医療的ケア、機能訓練の評価や再検討をおこないます。
・病気の治療・看護
個々の病気の治癒に必要な治療や看護を実施します。
・リハビリテーション
身体機能の向上を目的に、作業療法士・理学療法士・言語聴覚士などのリハビリテーション専門職と協働し、医師の指示に基づいたリハビリをおこないます。
・病気・障がいの状態に配慮した活動や機会の提供
病弱・身体虚弱など子どもの特性に応じて、休息と活動のバランスを見ながら可能なかぎり体験的な活動を提供します。
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4.障害児入所施設を利用する
利用の流れ
障害児入所施設を利用するには、福祉型・医療型にかかわらず、まずは住んでいる地域を管轄する児童相談所に相談します。施設に関する説明を聞いたうえで、希望する施設を選び、利用申請をおこないます。施設の定員状況によっては、利用できない場合もあります。児童相談所から受給者証が届いたら、契約を交わして利用開始となります。
利用料
利用にかかる費用は、世帯の所得に応じて異なります。
世帯の状況 |
負担上限月額 |
---|---|
生活保護受給世帯 |
0円 |
市町村民税非課税世帯 |
0円 |
市町村民税課税世帯 (収入が約920万円以下の世帯) |
9,300円 |
上記以外の世帯 |
3万7,200円 |
上記以外にも、食費、光熱水費、日常生活用品の費用が別途必要です。