FAを選定するときのポイント

買い手の間の競争環境を確保するため、FAは独自のルートでの買い手探索に加えて、他のM&A業者や金融機関など、それ以外のルートでの買い手探索を行うことでより広く買い手を探索することがあります。最近では、買い手への片手支援で案件に関与するM&A仲介会社も増えてきていますので、こうしたアプローチを行う環境が十分に整っています。

ただ、他のM&A業者や金融機関のルートで提案された買い手と進める場合には、買い手側にも手数料が発生してしまう(その分買い手の投資予算が圧迫され、売り手が受け取る対価にも影響する)デメリットがあります。

とはいえ、売り手がそのデメリット以上のメリットが取れる(より良い条件の提案が得られる)場合に限ってそうした買い手との交渉を進めることは可能ですから、売り手にとっては、FAのこうした他業者とも連携するアプローチにより広く買い手を探索するメリットは大きいといえます。

売り手オーナーがFAを選定する場合には、自社独自の買い手ネットワークはもちろん、他業者との連携により、売り手にメリットのある探索を支援してもらえるかを評価するべきでしょう。

作田 隆吉

オーナーズ株式会社 代表取締役社長