紅葉シーズンの京都をゆったり歩くおすすめコースをご紹介。2回目は、ひっそりとした秋の気配や古都の静けさを求めて散策するのに絶好の奥嵯峨。紅葉の穴場スポットをゆっくりめぐりましょう。
京都の裏道ウォーキングルートの2回目は、ひっそりとした秋の気配や古都の静けさを求めて散策するのに絶好の奥嵯峨。紅葉の穴場スポットをゆっくりめぐりましょう。
紅葉シーズンの穴場ウォーキングマップ
3 酒どころと史跡をめぐる伏見コース(12月4日公開)
観光名所を通り抜け、紅葉鮮やかな念仏寺へ
出発地点は、JR嵯峨嵐山駅。駅前にはトロッコ列車の乗り場があり、ジオラマ館も併設されているので、そこを覗いてからスタートするのもおすすめです。
南口から西へと移動し、最初に目指すのは「嵐山といえば……」の竹林です。バス停留所「野々宮」を目印に細い道を入っていくと、さっそく目の前には竹林が広がります。笹の葉が風で揺れる音を聴きながら人力車も通る遊歩道を進めば、『源氏物語』ゆかりの古社として知られる野宮神社が現れます。鳥居と紅葉のコントラストは必見!
そこから少し行けば、「嵯峨野竹林の小径」と「竹林の遊歩道」へ続きます。この一画はとにかくフォトジェニック! 記念写真を撮ったら、いま来た道を戻って、野宮神社を越えて右折。道なりに5分ほど歩くと、次は「嵐山竹林の小径」という上り坂になります。清々しい空気を存分に味わったら、大河内山荘の前を右へ曲がり、トロッコ嵐山駅の踏切を渡って、風情ある景色のなか、細い道をのんびり進んでいきます。嵯峨釈迦堂前の交差点を目指して、気の向くままに辻を折れて行くのもいいでしょう。見知らぬ場所へ迷い込んでいくのも一興です。
交差点を左折し、京都日吉美山線と呼ばれる府道50号のゴールとなる愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)まで歩いていきます。このあたりは小さな社寺が多く、風光明媚な風景を愉しむことができるエリア。色づいた木々や秋の草花に心が癒されます。
嵯峨釈迦堂前交差点から約15分で、19世紀の伝統的な木造家屋や店舗が立ち並ぶ嵯峨鳥居本伝統的建造物群保存地区に入ります。もとは「化野(あだしの)」と呼ばれていた地域で、実は京の埋葬地でした。現在の街並みは愛宕神社の門前町として発展したもので、豊かな自然のなかに人々の営みが息づく風情ある雰囲気が漂います。
古き良き街並みの先にあるふたつの念仏寺は紅葉シーズンでも比較的参拝者が少なく、静寂に満ちていて、紅葉の穴場スポット。帰りは、バス停留所「愛宕寺前(おたぎでらまえ)」からバスに乗るか、タクシーを利用するのがよいでしょう。
奥嵯峨エリアは、ゆっくりと紅葉を愛でるには最適の場所です。日毎深まる秋を肌で感じ、日々の疲れを癒してみては。
ウォーキングメモ
ルート後半は、常にゆるやかな上り坂が続く道のり。体力に不安がある人は、前半のコースで適宜ショートカットしてください。多少の人混みはへっちゃら! という場合は、メインストリートの中心にある嵐電嵐山駅や、渡月橋の南に位置する阪急嵐山駅からスタートするのもいいでしょう。嵐山公園や天龍寺など、“ザ・嵐山”といった景色が満喫できますよ。
イラスト/まるいみさき
写真・文/椿屋
デザイン/WATARIGRAPHIC