楽天を退団することが決まった田中将大の去就はどうなるか。

阪神と西武が獲得レースに参戦しないことが報じられているが、パリーグ球団の幹部も次のような獲得に否定的な見方を示す。

「36歳という年齢も考えなければいけない」

「楽天で野球人生を終えると思ったので驚きましたが、うーん、どうなんですかね…。過去に残した実績は凄いですが、現状をシビアに評価しなければいけない。今年は1軍で1試合しか登板せず、ファームでの投球を見た時も良い状態ではなかった。輝いていた時期と比較すると力の衰えは否めません。現有戦力と比較する上で、36歳という年齢も考えなければいけない。争奪戦にはならないかなと感じます」

ヤンキースから20年オフに日本球界へ復帰を決断した際は複数球団の争奪戦となり、楽天より好条件を提示する球団があったが、年俸9億円で古巣に戻ることを決断した。

だが、21年に4勝9敗、22年に9勝12敗、昨年は7勝11敗と3年連続シーズン負け越し。今年はコンディションが芳しくなく1試合登板のみに終わった。

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先発が不足する球団ならば?

球団との交渉の中で2億6000万円から減額制限(1億円超は40%)を超える年俸を提示されたが、田中はサインしなかった。

大幅減俸だけが退団を決意した理由ではないだろう。選手は期待されることが大きなモチベーションになる。その熱意が球団から伝わってこなかったのかもしれない。

先発のコマ不足が長年の課題になっているヤクルトが獲得の有力候補とみられるが、他球団は獲得に乗り出すか。

球団史上3年連続最下位に低迷し、井上一樹新監督が就任した中日も小笠原慎之介がポスティング・システムでメジャー挑戦を目指すことが決まり、先発陣が盤石とは言えない。

実績十分のベテランがどの球団で再起を目指すか。(中町顕吾)