がけ地補正率を使う上での注意点

がけ地が2方向以上の場合

がけ地が2方向以上にある土地のがけ地補正率は、方位別のがけ地補正率をがけ地の地積で加重平均して求めます。具体的な計算の手順は次のとおりです。

土地の総地積に対するすべてのがけ地部分の割合を求めます。
その割合に対応する各方位のがけ地補正率をがけ地補正率表で参照します。
それぞれのがけ地補正率を方位別のがけ地の地積で加重平均して、がけ地補正率を算出します。

算式で表わすと次のようになります。



[図表7] 出所:相続税専門の税理士が監修する相続お役立ちサイト 税理士が教える相続税の知識

【例2】北向きと西向きの2方向にがけ地がある場合のがけ地補正率を求めます。



[図表8]例2 出所:相続税専門の税理士が監修する相続お役立ちサイト 税理士が教える相続税の知識

まず、総地積に対するすべてのがけ地部分の地積の割合を求めます。



[図表9]がけ地部分の地積の割合 出所:相続税専門の税理士が監修する相続お役立ちサイト 税理士が教える相続税の知識

がけ地補正率表でがけ地補正率を確認します。がけ地割合は0.45であることから、0.40以上の欄を参照します。



[図表10]がけ地補正率表 出所:相続税専門の税理士が監修する相続お役立ちサイト 税理士が教える相続税の知識

西向きのがけ地補正率は0.82、北向きのがけ地補正率は0.78であることが読み取れます。それぞれのがけ地補正率を方位別のがけ地の地積で加重平均します。



[図表11]がけ地補正率 出所:相続税専門の税理士が監修する相続お役立ちサイト 税理士が教える相続税の知識

以上の結果、この土地のがけ地補正率は「0.80」となります。

がけ地の向きが東西南北の方角に一致しない場合

がけ地の向きが「北西」のように東西南北の4つの方角に一致しない場合は、北向きと西向きのがけ地補正率を平均した値を使います。

なお、がけ地の向きが「南南西」のような場合は、南向きとみなしてよいことになっています。

【例3】がけ地の向きが北西である土地のがけ地補正率を求めます。



[図表12]例3 出所:相続税専門の税理士が監修する相続お役立ちサイト 税理士が教える相続税の知識

がけ地の向きが北西である土地のがけ地補正率を求めるには、まず、がけ地補正率表で西向きと北向きのがけ地補正率を確認します。この例では、がけ地割合を0.20と仮定します。



[図表13]がけ地補正率 出所:相続税専門の税理士が監修する相続お役立ちサイト 税理士が教える相続税の知識

西向きの補正率は0.90、北向きの補正率は0.88であることが読み取れます。北西向きのがけ地補正率は、これらの平均値である「0.89」となります。

北西向きのがけ地補正率:(西向きのがけ地補正率0.90+北向きのがけ地補正率0.88)÷2=0.89